注文住宅を購入するうえで必ず考えるものとして、「注文住宅にかける予算」があります。
注文住宅にかける予算を計画する場合、「どのくらいの年収の家庭が注文住宅を購入しているのか」は気になるポイントです。
そして、注文住宅の建築・購入にかかる費用について知り、無理のない範囲で予算を準備することで、住宅ローンの返済に苦しむことなく、理想に沿った注文住宅を買うことができます。
そこでこのページでは、注文住宅の予算を知りたい方のために、年収の平均、注文住宅の購入にかかる費用の種類、予算別の建てられる内容について、それぞれご紹介します。
無理のない範囲で予算を準備し、なるべく理想に合った注文住宅を買うためにも、ぜひ参考にしてみてください。
注文住宅を建築する家庭の世帯年収の平均を確認
まずは、注文住宅を建築した世帯の平均年収から確認してみます。
国土交通省住宅局の「平成27年度住宅市場動向調査」を見てみると、注文住宅を新築で購入した世帯のうち、全体の5割が30代であり、家に住む人数で一番多いのは4人でした。
そして、 注文住宅を新築で買った方の世帯年収は、全国平均で659万円となっています。
また、世帯年収を3大都市に絞り込んで調査した場合、世帯年収は平均で697万円まで上昇しました。
このことから、地方に比べて都市部の家庭であるほど年収が上がる傾向にあり、これによって注文住宅を買える世帯が多いことが考えられます。
出典:政府統計の総合窓口
注文住宅の購入資金の内訳の平均も確認
次に、注文住宅を購入に使う資金の内訳の平均を確認してみます。
国土交通省住宅局の「平成27年度住宅市場動向調査」を見てみると、注文住宅を買う場合の予算のうち、自己資金は1,529万円でした。そして、ローンの借入金が2,647万円であり、 合計金額が4,176万円となっていました。
このことから、注文住宅を建てる方の多くは、購入金額の36.3%を自己資金から充てていることがわかります。
基本的には、住宅ローンを組む場合、上限は「建築にかかる費用の80%まで」とされています。
このことを考えると、注文住宅を建てる人の多くは、自己資金に余裕を持たせていることがわかります。
出典:政府統計の総合窓口
注文住宅の購入費用は世帯年収・生活費・家族構成で決める
注文住宅の購入にかける費用は、現在の世帯年収・生活費・家族構成を参考にして決めるのが大切です。
そうすることで、住宅ローンを組んで注文住宅を買う場合であっても、住宅購入後に無理なくローン返済していくことができます。
注文住宅を買うための予算が大きいことで、住宅ローンとして借り入れる金額が大きくなれば、その分だけ返済の負担も大きくなります。
このとき、年収が多い家庭であれば、毎月の食費、水道光熱費など、生活にかかる費用が多くても生活を維持しやすいです。
このことから、年収が多い家庭であれば、住宅ローンの返済額が多くなったとしても、 返済できなくなるくらいの負担はかかりにくいといえるでしょう。
逆に、年収が少ない家庭であると、その分だけ毎日の生活にかかる費用の負担は大きく感じてしまいます。
これによって、住宅ローンの返済がかなり辛くなり、日々の生活費を切り詰める必要が出てくる恐れがあるでしょう。
また、年収が多い家庭であっても、子供の多い家庭であれば、それだけ生活にかかる費用の負担が大きくなります。
この場合にも、住宅ローンを返済する負担が大きくなってしまう可能性があり、注意が必要です。
これらのことから、注文住宅を購入する予算は、世帯年収・生活費・家族構成を参考にしつつ計画することが大切です。
注文住宅の購入にかけられる費用の目安を年収別に計算する
注文住宅の購入にかけられる費用は、「年収×年収倍率+自己資金-諸費用」で計算できます。
なお、この計算式にある「年収倍率」というのは、自分の年収に対する住宅ローンの総額であり、「年収を住宅ローンの総額で割ること」で算出できます。
たとえば、「年収倍率が6倍」という場合、「住宅ローンの総額が年収の6倍であったこと」を示します。
ここでは、それぞれの年収ごとに「注文住宅の購入にかけられる費用」を計算し、それぞれの金額を確認していきましょう。
まずは、注文住宅を買う家族の世帯年収の平均である659万円について、「注文住宅の購入に掛けられる費用」を計算してみます。
このとき、年収倍率が6倍であったと仮定した場合、計算式は以下の通りです。
659万円 × 6倍 = 約4,000万円
この約4,000万円という金額に対して、「準備できる自己資金」を加えます。
仮に、800万円の自己資金を準備できる場合、注文住宅の購入にかけられる費用の目安は、4,800万円になります。
この金額から、最後に諸費用をマイナスします。なお、諸費用というのは工事請負契約をする際に含まれる物以外の経費を指します。
諸経費は住宅ローンには含まれません。そのため、諸費用を支払うための資金は、現金で準備しなければなりません。
諸費用の金額は、それぞれの家族によって異なります。
諸費用の例としては、登記手続き費用、住宅ローン利用時の手数料、不動産仲介料などがあります。
また、新しく建てた住宅に引っ越しをするための資金や、住宅が月までの間に住む賃貸アパートの家賃なども必要です。
こうした諸費用の総額は、 「150万円ほど必要になる」というのが基本となる目安です。
仮に、この金額をそのまま諸費用に当てはめた場合、以下のような計算式で「注文住宅の購入にかけられる費用」がわかります。
4,800万円 ₋ 150万円 = 4,650万円
こちらの例では、4,650万円が「注文住宅の購入にかけられる費用」となります。
また、年収400万円の方が、600万円の自己資金を準備できる場合には、注文住宅の購入にかけられる費用は2,850万円です。
このように、注文住宅の購入にかけられる費用は、年収によって大きく異なります。
そのため、注文住宅の購入を検討する場合には、こちらの計算方法を取り入れつつ、余裕を持った資金プランにしましょう。
注文住宅の購入で予算オーバーを避けるときの注意点
新築で注文住宅の建築を計画するとき、最初に考えていたプランでは予算をオーバーしてしまうケースは意外と多いです。
予算オーバーしてしまう場合、 現在の計画から削れる箇所を削り、購入費用を抑える必要があります。
費用を抑えても問題ない箇所としてあげられるのは「住宅の設備」です。
「絶対にグレードの高い設備を導入したい」といった強い要望がなければ、低いグレードの中でも高品質な設備を選んで採り入れましょう。
その理由は、現在の住宅設備の多くは、有名メーカーのものでなくても、低価格で高品質の製品になっているからです。
また、床、天井、壁などに使う仕上げ材についても、グレードを下げて問題ありません。
現在では、価格が安いのに優れたデザイン性の仕上げ材がとても多いため、実際に確認することをおすすめします。
逆に、コストを削ってはならない箇所として、柱などの「住宅の構造部分」があげられます。
この部分を削ってはならない理由は、「耐震性に大きく影響するため」です。
また、 屋根、窓、壁などを低コストのものにし、断熱性が弱いものにした場合、「夏が暑くて冬が寒い」といった住みにくい住宅になってしまいます。
住宅の中でも基礎の部分は、住宅の安全面・安心面を大きく左右する箇所です。
そのため、住宅の基礎部分のコストを削減するのは、どれだけ予算が苦しくても避けるように注意しましょう。
また、「建築面積や間取りを減らす」という手段は、「さまざまな低コストプランを計画したけど、どうしても予算をオーバーになってしまう」という状況になったときに考えましょう。
その理由は、「新築で注文住宅を購入したけど、居住スペースを削りすぎて住み心地が悪い家になってしまった…」という失敗を避けるためです。
これらのことから、注文住宅の購入での予算オーバーを避けるためとはいえ、「住宅の住みやすさに関係しない箇所」からコスト削減を検討することが大切です。
注文住宅の購入にかかる費用の内訳
注文住宅ではさまざまな材料を使用して工事をします。そして、 さまざまな手続きを通してから、注文住宅の購入が完了します。
このとき、注文住宅の購入費用の内訳が分からない場合、どのくらいの予算を準備するべきなのかが分からなくて困りますよね。
注文住宅の購入にかかる費用の内訳を大きく分類すると、以下の4つに分かれます
- 土地購入費用
- 本体工事費
- 別途工事費(付帯工事費)
- 諸経費
これらの費用について、以下より1つずつ解説します。
土地購入費用
土地購入費は、売買契約をする際に10%の手付金と、土地を引き渡す際に90%の残金の支払いを行うのが普通です。
一般的には、都市部であるほど土地の購入費用が高くなりますので、都市部で土地を購入して注文住宅を建てる予定の場合には、ぜひ覚えておきましょう。
また、もともと土地を持っている場合、土地の購入費用は不要になります。ただし、土地の地盤が弱い場合には、土地の改良工事にお金がかかる可能性もあります。
本体工事費
本体工事には、土工事、木工事、仮設工事、屋根工事など、さまざまな種類の工事があります。
そして、注文住宅を建てる際の工事の種類が多ければ多いほど、住宅の建築に携わる職人の人数がたくさん必要です。当然ながら、職人の人数が多くなれば、その分だけ人件費が高くなります。
これにより、本体工事にかかる費用は、住宅の購入にかかる費用のうちの大部分を占めることになるのです。
別途工事費(付帯工事費)
別途工事費(付帯工事費)は、本体工事に付随して行われる工事を指します。
別途工事費の例としては、住宅の建築についての電設関連・エクステリア関連・インテリア関連の工事があげられます。
住宅を建てたとしても、建物本体だけでは暮らしていけません。そのため、通常通りに生活するための設備を付帯工事で設置するのです。
諸経費
諸経費とは、住宅家土地といった不動産を買う場合にかかる手数料などを指します。
登記免許税や手続きをしてくれた司法書士へのお礼金、印紙税などは、 諸経費に当てはまります。
また、住宅ローンを組む際にも、ローン保証料、事務手数料といった費用が必要です。
注文住宅の購入にかかる費用の家、諸経費の占める割合はそれほど多くはありません。しかし、諸経費の金額自体はそれほど安くはないため注意が必要です。
これらのことから、注文住宅の購入を検討する際には、注文住宅にかかる費用の内訳をチェックし、どのくらいの費用を準備するべきかの目安としましょう。
注文住宅の購入費用は、しっかりと資金計画を立てて決める
注文住宅の予算を決める場合、まずは資金計画を十分に入れることが先決です。
資金プランを立てる場合に非常に重要なのは、「住宅ローンを無事に完済できるように払い続けられるかどうか」 です。
そのため、まずは「実際にどのくらいローン自己資金を準備できるか」「家族での年収はどのくらいあり住宅ローンはいくら借りられるのかなど」をそれぞれ考えましょう。
そうしたうえで、それぞれの金額を参考にしつつ、購入する住宅の価格を決定しましょう。
また、注文住宅の中でも実現したいこだわりを、資金プランよりも優先して決めてしまった場合、その分だけ資金プランがうまくいかなくなってしまいます。
そして、金額が大きければ大きいほど、ローンの返済額によって生活が苦しくなってしまいます。
こうした事態を避けるためにも、資金プランはしっかりと寝ることが重要です。
また、住宅ローンを組む場合には、頭金の金額が高いほど、後々の返済が楽です。
自己資金の中でも、新しい住宅への引っ越し費用親、住宅が建つまでの仮住まい費用などを差し引いたときに、いくらぐらいの予算であれば頭金に当てられるかを計算してみましょう。
そして、住宅ローンで借りることができる金額をチェックしておきましょう。
予算別に建てられる注文住宅の例をご紹介
注文住宅を新築で買う場合、建売住宅とは異なり、家を建てるのに使う費用により、建築費を自由に調節できます。
ハウスメーカーや工務店でも、1,000万円台の費用で建築可能なローコスト住宅もあれば、2,000~3,000万円台ほどの一般的な住宅、 4,000万円台以上する高級仕様の住宅などもあります。
そして、注文住宅はかけられる予算によって、 採り入れられるデザインや間取り、設備などが異なります。
そのため、こちらではそれぞれの金額に応じて、「どのような注文住宅を建てられるのか」についてご紹介します。
予算1,000万円台の場合、シンプルな住宅なら建築可能
「ローンの返済をなるべく軽くしたい」「注文住宅が欲しいけど、建築にかけられる予算が少ない」というケースであれば、1,000万円台のローコスト住宅を検討する方が多いです。
1,000万円台のローコスト住宅を建てる場合、住宅の形自体は四角形のシンプルなものにするのが基本です。
その理由は、「L字型をしている」「中庭がある」など、住宅の形や間取りが複雑になるほど、柱や壁の数や工事の手間が増え、高い建築費用が必要になるためです。
また、1,000万円台で建てる注文住宅であると、内装に無垢材などの自然素材を使うと、すぐに予算オーバーになってしまいます。
ただし、内装をシンプルなものにすることで、「どのようなデザインの家具を置いても違和感が少ない」といった利点もあります。
また、1,000万円台の住宅建築を行っているハウスメーカーや工務店の場合、 標準の仕様となる間取りや設備、材料を大量に仕入れるなどしてコスト削減を実現しています。
そのため、低価格の注文住宅とはいっても、決して安全性に手を抜いているわけではなく、削れるところを削ってシンプルな住宅を購入できるようになっています。
これらのことから、「ローン返済の負担をできるだけ少なくしたい」「注文住宅を買いたいけど予算に余裕がない」という場合、1,000万円台のローコスト住宅を検討するのが良いでしょう。
1,000万円台で注文住宅を建てる場合のポイント
外壁材や屋根の部分は、材料費の単価が高額です。そのため、外壁材や屋根に使用する材料が多ければ、その分だけ材料費が高くなります。
その結果、注文住宅の建築費用が高額になってしまいます。
また、「ロの字型で中央に中庭がある」「L字型・コの字型をしている」「外側の一部をへこませてベランダを設置している」「出窓を多く設置している」など、住宅本体の外観に凹凸が多い場合、床面積が同じで真四角の形をした住宅に比べて表面積が大きくなります。
これにより、表面積が大きい分だけ材料費も多くかかりますし、外壁工事のための足場代も高額です。さらに、住宅の外観が複雑であれば、その分だけ施工に手間がかかり、人件費も高くなります。
逆に、長方形や正方形などのシンプルな形と外観の住宅であれば、その分だけ必要な建築費用が抑えられます。これによって、1,000万円台の予算で注文住宅を建てることが可能です。
また、1,000万円台の注文住宅の計画で、屋根の形を検討する場合、三角形の山のような形をした切妻屋根や、斜面が1つだけになっている片流れ屋根のどちらかにしましょう。
この2種類の屋根は、他の屋根に比べ、建築費用が安く抑えられるのでおすすめです。
左:切妻屋根 ・ 右:片流れ屋根
出典:スーモ
これらのことから、1000万円台の予算で注文住宅を建てる場合、「外観のデザインが複雑である」など、建築費用を増やす要因をとにかく減らすことが大切です。
そして、外観のデザインを正方形、長方形などのシンプルな形にし、屋根の形を切妻屋根や片流れ屋根といった低コストのものにしましょう。
そうすることで、1,000万円台の予算で注文住宅を建てることができます。
予算2,000万円台の場合は、一部のこだわりを実現可能
2,000万円台の予算で注文住宅を建てる場合、予算をうまく調節することで、「採り入れたいこだわり」のいくつかを実現可能です。
たとえば、「住宅の外観だけはおしゃれにして、内装や間取りはシンプルなものにする」「住宅の間取りや外観はシンプルでいいから、ミストサウナのある浴室にしたい」といったように、いくつかの要望を叶えられます。
ただし、 採り入れるこだわりが多くなってしまうと、すぐに予算オーバーになってしまう金額でもあります。
そのため、2,000万円台の予算で注文住宅を建てる場合、予算配分を考えつつ、どこにお金をかけるかを考えることが大切です。
2,000万円台で注文住宅を建てる場合のポイント
2,000万円台の予算で注文住宅を建てる場合、注文住宅の建築費用に加え、「家具・家電の購入費用」といった建築費用以外の出費も含めて、予算の配分を検討するのも1つの手です。
その例としては、以下のようなものがあります。
家電を最新式でグレードの高いものに揃えつつ、建物本体は1,000万円台の注文住宅のようにシンプルなものにする。
建物本体の内装には無垢材(丸太から切り出しただけで自然のままの木材)などの自然素材を多く使うが、家具と家電は今まで使っていたものをそのまま使う。
このような形で予算配分をすることで、予算オーバーを避けつつもいくつかの希望・こだわりを採り入れて、2,000万円台の注文住宅を建てることが可能です。
予算3,000万円台の場合は、複数のこだわりを実現可能
3,000万円台の使用で注文住宅を建てる場合、 住宅建築に使う材料や設備のグレードを満遍なく高いものにすることができます。
また、住宅に採用するこだわりを、1つだけでなく複数採り入れることも可能です。
さすがに、すべてのこだわりを採り入れることは無理でも、たとえば「キッチンと浴室の設備は、ハイグレードなものにしたい」「内装の材料は無垢材などの自然素材で統一させて、間取りと外観はシンプルにする」といった予算配分であれば実現させやすいです。
3,000万円台で注文住宅を建てる場合のポイント
3,000万円台の予算で注文住宅を建てる場合、「どこを重視してお金をかけるか」「どの部分にかける費用を抑えるか」をバランスよく調整しましょう。
そうすることで、3,000万円台の予算に収めつつ、理想に沿った注文住宅を建てられます。
その具体例としては、次のような方法があげられます。
外観をできるだけおしゃれなデザインにする代わりに、内装はシンプルで低価格なものに統一する。
リビングとダイニングの床には自然素材を多く使うけど、その他の部屋ではなるべく安いフローリングの床にする。
このように、3,000万円台の予算があれば、2,000万円台の予算に比べて、採り入れられるこだわりの数や種類は多くなります。
しかし、「希望をどのあたりまで実現可能なのか」は、実際に計画していく中でわかることが多いです。
これらのことから、3,000万円台の予算で注文住宅を建てようと考えている場合、設計担当者に相談しつつ家族で話し合うのが大切です。
そして、「こだわりを採り入れることで得られる生活上のメリット」や「コストを削ることで後悔しないか」などをそれぞれチェックし、予算オーバーに気を付けつつ建築プランを決めていきましょう。
予算4,000万円台の場合は、建築プランの自由度が高い
4,000万円台の費用で注文住宅を建てる場合、予算の余裕が非常に大きいため、さまざまな建築プランを実現可能です。
たとえば「外観と内装をおしゃれにしつつ、トイレやキッチンの設備もハイグレードのもので揃えたい」「カタカナのコの字型の住宅にして中庭を設置し、浴室をミストサウナ付きのものにしたい」といった要望でも十分に叶えられます。
このように、4,000万円台の予算で注文住宅を建てる際には、 予算のこと自体は意識せずとも、住みやすさや快適さ、こだわりを重視して建築プランを考えることができます。
4,000万円台で注文住宅を建てる場合のポイント
4,000万円台の予算で注文住宅を建てられる場合、予算自体にかなりの余裕があります。
そのため、予算オーバーの心配をすることなく、以下のように、採り入れたい希望やこだわりを実現可能です。
内装に自然の素材を使い、外観もとにかくおしゃれなデザインにする。さらに、浴室やトイレ、キッチンの設備をすべてハイグレードに統一する。
鉄筋コンクリートで3階建ての住宅にして、1階部分に駐車スペースを設置する。
住宅の形をロの字型にして、中央に中庭を設置する。
そのため、4,000万円台の予算で注文住宅を建てる場合、予算オーバーを気にせずに、「建てた後の住みやすさ」「採り入れたいこだわりと希望」について家族同士で意見を出し合ってプランを決めていくのがいいでしょう。
このようなプランであっても、予算の範囲内で十分に実現できます。
さらに、担当する設計者から「最新で優れた設備にはどのような商品があるのか」「どういった間取りにすれば快適に暮らせるか」といった意見・アドバイスを参考にし、理想の注文住宅の建築プランを作っていきましょう。
予算別の注文住宅の事例
こちらでは、1,000万円台・2,000万円台・3,000万円台・4,000万円台の予算別に、「実際に建てられた注文住宅の事例」をご紹介します。
なお、それぞれの事例で提示している金額は、建物本体の価格です。建物本体の他にも、土地の購入費用が必要になりますので、提示価格は目安としてお考えください。
1,000万円台の注文住宅の実例:1,080万円2階建て
1,000万円台の予算で建てられた注文住宅の実例として、1,080万円2階建ての注文住宅をご紹介します。
1,080万円2階建ての外観
出典:スーモ
外観のデザインは、スッキリとしていて無駄を省いた箱型です。そして、設置されている窓の数も少なめです。
これらのようなシンプルな外観にすることが、大きなコスト削減につながっています。
さらに、箱型の住宅にすることで、その分だけ住宅内の空間が広々としているのも、こちらの注文住宅のメリットです。
1,080万円2階建ての内観
リビング
出典:スーモ
キッチン
出典:スーモ
浴室
出典:スーモ
1,080万円2階建て注文住宅の内観です。内装の大部分が、清潔感のある白一色のシンプルなデザインになっており、内装にかかる費用が抑えられています。
1,080万円2階建ての間取り
1階
出典:スーモ
2階
出典:スーモ
1,080万円2階建ての注文住宅の間取りになります。主寝室1つに子供部屋が2つあるため、夫婦2人+子供2人の家族で住むのにおすすめです。
主寝室と子供部屋に、それぞれ人数分の収納スペースがあり、さらに1階部分にも収納スペースが複数あるため、収納にかなりの余裕があります。
そして、2階部分の廊下以外は通路がなく、なるべく室内に動線を通すことで、居住スペースを広めにとっているのも大きな特徴です。
1,000万円台の予算で注文住宅を建てる予定であり、4人家族のご家庭であれば、このような注文住宅を検討してみてもいいのではないでしょうか。
2,000万円台の注文住宅の実例:2,000万円2階建て
2,000万円台の予算で建てられた注文住宅の実例として、2,000万円2階建ての注文住宅をご紹介します。
2,000万円2階建ての外観
出典:スーモ
外観のデザインとしては、2階部分の道路側にバルコニーが設けられています。さらに、1,000万円台の注文住宅に比べ、設置されている窓の数も多めです。
また、1,000万円台の注文住宅と比較して、全体的におしゃれな印象を受ける外観になっています。
これらのように、2,000万円台の予算で建てる注文住宅であれば、1,000万円の予算に比べてお金の余裕があり、多少であれば外観のこだわりも採用可能です。
2,000万円2階建ての内観
リビングダイニング
出典:スーモ
キッチン(背部のスペース)
出典:スーモ
寝室
出典:スーモ
2,000万円2階建ての内観です。全体的にシンプルな内装になっていますが、薪ストーブなどのこだわりも採用していることがわかります。
2,000万円2階建ての間取り
1階
出典:スーモ
2階
出典:スーモ
2,000万円2階建ての注文住宅の間取りです。寝室が1部屋、子供部屋が2部屋あり、夫婦2人と子供2人のご家庭が住むのにおすすめの住宅です。
1階部分の薪ストーブやオープンキッチン、2階部分のWIC(ウォークインクローゼット)など、室内についてもいくつかのこだわりが採用されています。
トイレが1階と2階の両方に1つずつあるため、トイレ待ちが起こりにくくなっています。また、ウォークインクローゼットの他にも、収納スペースが1階部分と2階部分の両方で多数設けられているため、荷物が増えても収納には困らないでしょう。
2,000万円台の予算が準備でき、4人家族で住む予定の方であれば、こちらのような注文住宅の建築を検討するのもいいのではないでしょうか。
3,000万円台の注文住宅の実例:3,000万円3階建て二世帯住宅
3,000万円台の予算で建てられた注文住宅の実例として、3,000万円3階建ての二世帯住宅をご紹介します。
3,000万円3階建て二世帯住宅の外観
出典:スーモ
外観のデザインはややシンプルですが、3階部分の道路側にはバルコニーが設けられており、1階部分の玄関は少し外側に突き出ています。
延床面積166.43平米と大きめであり、それぞれの世帯ごとで広々と快適に暮らしやすい住宅です。
3,000万円3階建て二世帯住宅の内観
キッチン
出典:スーモ
ダイニング
出典:スーモ
洋室
出典:スーモ
3,000万円3階建て二世帯住宅の内観です。1,000万円台、2,000万円台の注文住宅に比べ、内装の色やデザインにバリエーションがあることがわかります。
3,000万円台の予算で注文住宅を建てる場合、このように内装のデザインにいくつかこだわりを採り入れる余裕も出てきます。
3,000万円3階建て二世帯住宅の間取り
1階
出典:スーモ
2階
出典:スーモ
3階
出典:スーモ
3,000万円3階建ての二世帯住宅の間取りです。1階部分と2階部分のLDKにそれぞれオープンキッチンを備えており、どちらのLDKも広々としています。
各階の洋室に収納スペースがあり、WIC(ウォークインクローゼット)や納戸なども備えているため、家族二世帯でも収納には困りません。
3,000万円台の予算で二世帯住宅を建てる予定の方は、こちらの注文住宅を検討してみるのも良いでしょう。
4,000万円台の注文住宅の実例:4,000万円3階建て二世帯住宅
4,000万円台の予算で建てられた注文住宅の実例として、4,000万円3階建ての二世帯住宅をご紹介します。
4,000万円3階建て二世帯住宅の外観
出典:スーモ
4,000万円3階建て二世帯住宅の外観です。全体的に洋風のおしゃれなデザインになっており、2階部分と3階部分にバルコニーが設置されています。
4,000万円台の予算で注文住宅を建てる場合、予算に余裕があることから、このようにさまざまなこだわりや希望を採用した住宅を建てることが可能です。
4,000万円3階建て二世帯住宅の内観
キッチン
出典:スーモ
寝室
出典:スーモ
玄関
出典:スーモ
4,000万円3階建て二世帯住宅の内観です。全体的に清潔感のある白いデザインを採用し、室内が明るい印象になっています。
また、こちらの二世帯住宅は延床面積222,33平米ですが、4,000万円台の予算がある場合には、このようにおしゃれな内装を広い室内全体に採り入れることも可能です。
4,000万円3階建て二世帯住宅の間取り
1階
出典:スーモ
2階
出典:スーモ
3階
出典:スーモ
4,000万円3階建て二世帯住宅の間取りです。保育室を運営されているご家庭であり、1階部分に2つの保育室があります。
2階部分と3階部分がほぼ同じ間取りになっており、各階の洋室にはWIC(ウォークインクローゼット)が備えられています。
4,000万円台の予算で二世帯住宅を建てようと考えている場合、こちらの住宅を参考にプランを組んでみてもいいのではないでしょうか。
注文住宅の購入で予算オーバーしないための方法
注文住宅の計画を立てるとき、予算オーバーはぜひとも避けたいところです。注文住宅の建築で予算オーバーしないための方法として、以下のようなものがあります。
- なるべくシンプルな設計で建てる
- 設備・材料のグレードを抑える
- 家の面積を小さくする
- 見積もりを複数社に依頼して比較する
これらの方法について、1つずつ順番にご紹介します。
なるべくシンプルな設計で建てる
注文住宅を建てる場合、なるべくシンプルな設計にすることで建築費用が抑えられ、予算オーバーを避けやすくなります。
その理由は、設計が複雑であればあるほど、材料費・工事費が多くかかってしまい、結果として建築費用が高額になるためです。
たとえば、屋根の形を三角形の山に似た「切妻屋根」や、斜面が片方1つのみになっている「片流れ屋根」にすると、屋根の材料費・工事費を削減することができます。
また、「コの字型」や「L字型」の形をした住宅よりも、「正方形」「長方形」の形をした住宅の方を選ぶことで建築費用が安く抑えられます。
これらのことから、注文住宅の計画で予算オーバーしてしまうときには、「住宅の形をさらにシンプルにできないか」を検討し、できる限りシンプルなデザインを採用しましょう。
設備・材料のグレードを抑える
注文住宅を建てる場合、設備や材料をなるべく低いグレードのものにすることで、建築費用を抑えることが可能です。
たとえば、大手メーカーのハイグレードの設備は高額であり、キッチンなどにそれらの設備を導入することで数百万円単位の費用がかかります。
しかし、大手でないメーカーが扱っている設備の中には、低価格で高品質ものも多いです。
そのため、大手メーカーの設備の代わりに、低価格で高品質の設備を採用することで、建築費用を安く抑えることができます。
また、内装に無垢材(丸太を切ったままの材料)などの高額な自然材料は使わず、シンプルな内装材だけを採用することでも、建築費用を低くすることができます。
これらのことから、注文住宅の計画で予算オーバーしそうな場合には、耐久性・使いやすさなどに問題がない範囲で、設備や材料のグレードを下げるのもおすすめです。
家の面積を小さくする
注文住宅を建てる場合、家の面積を小さくすることでも建築費用を安くすることができます。
たとえば、1坪の単価が50万円であれば、単純に1坪分だけ家を狭くすることで、50万円のコスト削減が可能です。
また、住宅の中でも、使う機会が少なくなりそうな部屋があれば、その部屋の面積を小さくすると良いでしょう。
使う機会が少ない部屋であると、それほど大きな面積でなくても日常生活に支障がないためです。
これらのことから、注文住宅の計画で予算オーバーしそうな場合には、日常生活への影響が少ない範囲で、家自体の面積を狭くするのもおすすめです。
見積もりを複数社に依頼して比較する
注文住宅の建築を検討している場合、一社だけでなく複数社に見積もりを依頼し、それぞれを比較することで費用を安くできます。
その理由は、複数社に見積もりを頼んで比較することで、安く建ててくれるメーカーを見つけられるからです。
そもそも、注文住宅には定価がないため、それぞれの企業で建築費用に差が出やすいです。
たとえば、A社という住宅メーカーがあり、A社に見積もりを依頼したところ、以下の価格が提示されたとします。
- A社:1,800万円
このように、A社だけに見積もりを依頼した場合、A社が提示した価格が安いのか高いのかが判断できません。
その一方で、A社に加え、B社、C社にも見積もりを依頼し、それぞれ以下のような価格を提示したとします。
- A社:1,800万円
- B社:1,600万円
- C社:1,500万円
こちらの場合であれば、A社の提示した価格が高いことがわかります。さらに、A社、B社よりも安く建ててくれるC社を見つけることができました。
このように、複数社に対して見積もりを依頼(相見積もり:あいみつもり)することで、低価格や適正価格で工事を引き受けてくれる優良業者を見つけて工事を頼むことができます。
ただ、見積もりの内容を比較する際には、価格だけに注目しないことが大切です。その理由は、建築費用が安いメーカーによっては、手抜き工事で価格を抑えている悪徳業者もいるからです。
そのため、複数社で見積もりを依頼する際には、決して価格だけを重視せずに、メーカーの評判や建築プラン自体の内容などにも注目するようにしましょう。
まとめ
注文住宅を建てる家庭の世帯年収の全国平均は、659万円となっています。そして、注文住宅の購入には、土地購入費や付帯工事など、建物本体以外にもお金が必要です。
ただし、「デザインや間取りなるべくシンプルなものでいい」という場合であれば、耐久性に問題がなくて暮らしやすい注文住宅を買うことが可能です。
そのため、世帯年収が659万円に満たない場合であっても、「無理のない返済計画で住宅ローンを組む」「1,000万円台の安い注文住宅を検討する」などすれば、注文住宅を建てることができます。
ぜひ今回の内容を参考に、自分の家庭の世帯年収・家族構成・生活費などを参考にしつつ、「どのようなプランであれば、注文住宅を買えるか」「建てる注文住宅のどの部分にお金をつぎ込むか」などを計画してみてください。
住宅は一生に一度の高価な買い物です。数千万円単位になるため、できれば値段を安くしたいものです。
実は値段の高い注文住宅ですが、建売よりも安く家を建てられる方法があるってご存知ですか?
建売でもいいですが、せっかくであれば自由に仕様や間取りを選べる注文住宅がいいですよね。
ただ、注文住宅は失敗してしまう方がほとんどです。夢のマイホームで後悔したくないですよね。
※お断り自由・完全無料