丸亀市は瀬戸内海に面し、讃岐平野を挟んで南側に山脈がある温暖で雨の少ない地域です。全国的には、名物の讃岐うどんで知られているかも知れませんね。人口11万人の小さな街ですが、香川県中部地域の中核となっています。
本記事では、丸亀地域で新築を計画されている方の参考になるように、丸亀市を中心に県下で事業展開しているローコスト住宅メーカーと工務店を紹介していきます。
対象は坪単価60万円前後までのローコスト住宅業者とし、高価格帯の住宅を建てている大手住宅メーカーはあえて紹介しないこととしました。
住宅メーカーと工務店の定義
住宅会社には、自社で全国展開している大手住宅メーカー、広域で展開しているフランチャイズメーカー、そして限られたエリアで展開している地域業者まで様々です。
本記事では、自社で全国展開している業者を住宅メーカーとし、事業規模や組織の大きさに関わらず、比較的狭いエリアで展開している業者を工務店と呼ぶことにします。
なお、広域展開のフランチャイズメーカーに加盟している地域業者は、メーカーの基本仕様や規格を元にしていることから、ここでは住宅メーカー扱いとします。
個性豊かな工務店
地域密着型の工務店には、伝統を守りながらも時代に合わせた商品造りをしているところ、まだ設立後の浅い歴史ながらも、地域に根ざして個性豊かな家づくりを目指しているところなど様々あります。
これらの工務店に共通するのは、住宅メーカーでは対応しきれないユーザーごとに異なるライフスタイルにもきめ細かく対応してくれることです。これがなければ、メジャーな住宅会社には勝てませんからね。
また、工務店が地域密着型であればあるほどユーザーの口コミや評判が重要で、ユーザーへの対応が業績に大きく影響するのです。
以下で、丸亀市を中心として香川県下で10年以上の実績があり、ローコスト住宅を建てている工務店を紹介しましょう。
大澤工務店
アイムス・ファンク／延床面積：29.30坪、本体価格：1,101万円（37.58万円／坪）
1967年に設立され、丸亀市に拠点を置く工務店です。同工務店のブランドであるアネスティホームズには、アイムス、シャルマン、樹優の3シリーズがあります。
写真はアイムスシリーズの中のファンク商品で、大屋根を利用した2階建てです。本体価格の坪単価が37.58万円は十分にローコストで、キューブ形状が多いローコスト住宅の中では、希少な存在といえるでしょう。
さくら夢ハウス
３LDK／27.8坪タイプ／税込本体価格：1,376万円（坪単価：49.50万円）
さくら夢ハウスは、高松市に本社を置く日本エネルギー総合システム株式会社の住宅部門です。高松と丸亀に拠点を持ち、品質と低価格にこだわりをもっています。
写真は３LDKタイプのひとつですが、多くのプランが税込本体価格で40万円台／坪となっています。
住設備機器は標準的なものですが、税込価格で40万円台というのは評価できます。
日進堂
参考施工事例（綾歌郡）：3LDK
50年以上の歴史と実績を持ち高松に拠点を置く地域密着型の会社です。11年間、香川県で住宅着工棟数No.1の実績を残しているのは信頼されている証でしょう。
同工務店では、家づくりの情報提供の場として、体験型ショールーム（住まいの図書館）を6ヶ所開設しており、そのうちの一つが丸亀市にあります。
規格住宅としては、コトイエ20と30があり、税込本体価格が40万円台／坪となっています。
明徳ホーム
GE House S2000／延床面積：85.66㎡（25.91坪）、本体坪単価：57.89万円（税込）
1996年設立の高松市に本社を置く会社で、施工エリアは香川県全域とし、丸亀市においてはモデルハウスを設けて事業展開しています。
規格品ではなく、完全自由設計で、暮らしやすさに注目した家づくりを目指しており、自給自足で光熱費ゼロ円の無停電住宅も提案しています。
他にも気になる工務店
上記以外の気になる工務店の概略を以下で紹介します。
中庭住宅
掲載元：中庭住宅
1993年設立で、4年連続丸亀市での着工数がNo.1という地域で認められている工務店です。国産ヒノキを使った良質な家づくりを得意としていますが、ローコスト住宅としては、本体価格1,280万円（税別）の規格住宅N-CUBEがあります。
オークラハウス
掲載元：オークラハウス
創業1966年（設立2003年）の丸亀市にある住宅会社です。同社が建てる住宅は耐震等級3が標準で、高気密・高断熱やZEH（ゼロ・エネルギー・ハウス）にも力を入れています。同社の規格住宅平屋（One Story）では、本体坪単価50万円（税抜）となっています。
黒石建設
掲載元：黒石建設
1989年設立の高松市にある会社で、斬新なデザインが特徴です。無駄を省いたシンプルなデザインでコストを抑え、デザイナーズ住宅は高いというイメージを覆しています。
ファミリーホーム
掲載元：ファミリーホーム
1994年設立の会社で、高松市に本社を置き、丸亀市と木田郡に支店を構えています。フリープランと規格住宅にそれぞれ3タイプが用意されており、本体坪単価は40万円台となっています。
メジャーな広域住宅メーカー系
広域で事業展開している住宅メーカーの中で、丸亀市で実績を残しているローコスト住宅メーカーを紹介します。
冒頭で述べたように、丸亀市での着工実績が多くても高価格帯（60万円〜／坪）の住宅メーカーはあえて紹介しないこととしました。
秀光ビルド
SL-J／2階建て／税込本体価格：1,043万円〜（20坪タイプ）、坪単価：52.15万円〜
1991年に設立した石川県に本社を置くローコスト住宅メーカーで、事業エリアは、北海道と沖縄を除くほぼ全国としています。
商品ラインナップには、規格住宅のSL-Jと自由設計のUL-Jがあります。写真のSL-Jの延坪20坪タイプで税込で52.15万円／坪ですから、標準的な30坪では40万円台も可能でしょう。なお、SL-Jでは100プランが用意されています。
タマホーム
大安心の家
福岡が発祥のローコスト住宅メーカーです。当初の坪単価30万円台は驚異的で、あっという間に全国区のメジャーな住宅会社になりました。
最近の資材の高騰などで、さすがに30万円台は難しいと思いますが、良質低価格な住宅を供給する姿勢は変わらず、45〜55万円／坪の価格帯が主流です。
写真の大安心の家シリーズは同社のベストセラー商品で、長期優良住宅仕様を標準としています。
STATES
フリープラン：BEING／30坪、本体価格：1559万円（税込）〜、坪単価：５２万円〜
新潟県に本社を置く、1992年設立の住宅会社です。新潟を含む北陸、中部、四国で展開しており、香川県下では高松市に支店があります。
同社の商品ラインナップには、フリープランのBEING、Vivace、G-HOUSEがあり、規格住宅には、Tino、禅があります。
ジブンハウス
規格住宅：79K JAPONE／延床面積：103.52㎡（31.31坪）、税込本体価格：1,326.6万円
ジブンハウスは、東京に本社を置くフランチャイズ住宅メーカーです。同社の歴史はまだ6年ほどですが、加盟しているフソウリブテック（高松市）、豊嶋建設（丸亀市）に長い歴史があることから紹介しておきます。
写真のタイプでは税込坪単価が42.37万円と非常にローコストな価格となっています。
レオハウス
CoCoシリーズ／本体坪単価：45〜65万円
同社は、ヤマダ電機で有名なヤマダホールディングスのグループ会社で、同ホールディングス傘下には、ヤマダホーム（旧エスバイエル）もあります。さらに、住宅建材・設備を扱っている会社があり、総合力でローコスト価格を実現しています。
写真の建物は、同社の主力商品のCoCoで、本体坪単価は45〜65万円となっています。
他にも気になる住宅メーカー
その他の丸亀市で実績を残しているローコスト住宅メーカーの概略を以下で紹介します。
ロイヤルハウス
掲載元：ロイヤルハウス
同社は、北海道から沖縄までに110の加盟店をもち、35年の歴史と26,000棟の実績があるフランチャイズメーカーです。
香川県下では高松市と坂出市に展示場があり、本部（名古屋）で開発された技術や提案は、グッドデザイン賞、キッズデザイン賞などを受賞しており、それらのノウハウが各加盟店に反映されています。なお、中心価格帯は坪単価45〜55万円となっています。
ユニバーサルホーム
掲載元：ユニバーサルホーム
地熱利用の床暖房システムで有名なフランチャイズメーカーです。高松市に本社を置く株式会社サンフラワーが加盟しており、丸亀市で展示場展開しています。本体坪単価は、50〜60万円が中心です。
一条工務店
掲載元：一条工務店
同社の本体坪単価は60〜80万円で、本記事で想定しているローコスト住宅よりは少し高めかもしれません。しかし、モデルハウス仕様を標準仕様としている内容には割安感があり、住宅に必要な基本性能・設備は全て揃っているほどです。
例えば、住設備や収納の充実はもちろんのこと、耐震性能等級3、業界トップクラスの省エネ性能、全館床暖房、高性能フィルター付きの全館換気システムなど、標準仕様とは思えないほどです。
まとめ：よりローコストで満足の行くマイホームとするために
少し古い（SUUMO：2015年資料）統計ですが、住宅における施工会社分類で、香川県の工務店と地域ビルダーの占める割合は、合わせて74％となっています。
この統計でのビルダーとは、年間20棟以上を建設し、契約・現場管理・引渡などの業務区分がなされている住宅会社としています。ですから、本記事で工務店扱いとしている地域の住宅会社も含まれています。
つまり、本記事で定義している工務店の施工割合は過半を大きく超えているだろうと思われます。
この傾向は地方ほど強く、ユーザーは地域に根ざした工務店（ビルダーを含む）に親しみを持っているということでしょう。
参考に、香川県における住宅着工棟数ランキングには本記事で紹介した工務店がベスト10に入り、丸亀市の棟数ではベスト3にランクインしています。
満足できるマイホームとするのに、メジャーな住宅メーカーか地域の工務店かは関係ありません。ライフスタイルに合った住宅を提案して建ててくれる業者選びが重要なのです。
一生に一度の新築です。少し時間を掛けてでも、よりローコストでより満足のいくマイホームづくりを目指してください。本記事が、そのための参考になれば幸いです。
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