「興味はあるけどコストが不安」「いつもの電力で十分だと思う」と、まだまだ敷居が高い印象がある太陽光発電。新築で注文住宅を建てる時に、導入しようか悩んでしまう人は多いのではないでしょうか?
結局設置費用がかかるので、売電収入が入るといっても損をするのか不安ですよね。
地球温暖化とエネルギー不足が大きな課題となっている今、省エネを実現する太陽光発電は大変注目されています。
しかし、魅力があるのは分かっていても疑問や不安も多いですよね。
本記事では、太陽光発電を取り付けた際のメリット・デメリット、設置のポイントなどをご説明していきます。
太陽光発電が気になっているものの、メリットやデメリットがわからない方はぜひ参考にしてみてください。
太陽光発電のメリット
住宅に太陽光発電を取り入れるメリットは多くあります。
- 光熱費を抑えられる
- 電気を売って収入を得られる
- 太陽光の設置費用が安い
- 太陽光パネルの寿命が長い
- 曇りや雨の日でも発電可能
- 蓄電池をつけると無駄がなくなる
- 災害時の停電でも発電電力を利用できる
太陽光発電の最大のメリットは、光熱費を削減できること。自宅でエネルギーを創ることができるため、お財布にも環境にも優しいシステムです。
光熱費を抑えられる
太陽光発電は、太陽のエネルギーを使って電力を創ります。自宅で創られたエネルギーはそのまま家庭の電気として使えるため、これまで電力会社から購入していた電力の大半は必要なくなります。
太陽光発電を採用すると、設置前の光熱費と比べ、約30~50%程度は削減できるとされています。
さらに、太陽光発電にオール電化や蓄電池などを組み合わせると、実に80%の光熱費を削減できることもあります。
オール電化とは、これまでガスを使っていたガスコンロや給湯器をIHクッキングヒーター、エコキュートなどに交換し、すべてを電力で動かす住宅スタイルです。
蓄電池とは、電気を使わない時に発生した太陽光エネルギーを自宅に蓄え、夜間や災害時に使えるシステムです。
これらを組み合わせた住宅の光熱費は年間で数十万円の節約になると言います。
電気を売って収入を得られる
出典:https://www.universalhome.co.jp/
太陽光発電で創られた電力は売ることができます。昼間はお仕事や学校で在宅せず、電力を使わない家庭が多いと思います。
しかし、太陽光は昼間が一番エネルギーの多い時間帯です。
この時に多くの家庭で余っている昼間の電力は、電力会社に売ることができるのです。電力会社に売ることを売電と言いますが、売電には面倒なやり取りは一切必要なく、毎月自動で代金が口座に振り込まれます。
電力を効率良く利用している家庭では、売電収入が発生することも少なくありません。
例えば、昼間は自家発電した太陽光発電を使い、夜間は低価格の深夜電力を使うと大幅にコストカットができます。余った電力はすべて売ってしまえば無駄がありませんね。
太陽光の設置費用が安い
かつて、太陽光発電を導入するには莫大な金額が必要でした。しかし、近年では少しずつ設置費用が安くなっています。
2012年時の設置費用と比べると約30%も値下がりしていて、中には当時よりも約半額程度で購入できる太陽光発電もあります。
また、太陽光発電は普及を促進するために各自治体で補助金制度が充実しています。これらの援助も活用すると、大幅にコストダウンした金額で設置することが可能です。
太陽光パネルの寿命が長い
屋根に取り付けるソーラーパネルは、寿命が長く平均で20~30年と言われています。これは一般住宅の外壁や屋根よりも耐久性に優れていると言えます。
ソーラーパネルは可動部分がなく塗装もないため劣化が少なく、長期に渡って使用できます。
ただ、台風や雪の影響で傷が付いたり割れたりすると、修理が必要になります。
曇りや雨の日でも発電可能
太陽光発電は、太陽がキラキラと眩しい時にしか発電しないイメージがありませんか?しかし、実際は曇りでも雨でも発電が可能なんです。
例えば、昼間に雨が降っていても、夜のように真っ暗ではなく薄明るさは残っていますよね。
これは、雨雲で空が覆われていても、多少の太陽光は地上に届いているからです。そのため、太陽光が目に見えて降り注いでいなくても、少しの太陽光エネルギーを使って発電が可能なのです。
天候による発電量の違いを見てみると、一般的には曇りの日で晴天の1/3~1/10程度、雨の日で晴天の1/5~1/20程度の割合で発電が可能と言われています。
晴れの日以外でも発電できるので、天気の心配をそこまでしなくていいのも魅力的ですよね。
蓄電池をつけると無駄がなくなる
蓄電池とは、太陽光発電で創った電力を自宅に蓄え、必要な時に必要な分だけ使える機器を言います。
太陽光発電は蓄電池がなくても稼働しますが、蓄電池があるとより効率的に電力を使うことができます。
例えば、太陽が出やすい昼間に創られたエネルギーを蓄えておけば、太陽がない夜間の電力として使用できます。
また、発電した電力を蓄えることができれば、好きな時に売電することも可能です。
料金が安い夜間は通常の電力を使い、高値で取引される太陽光発電の余剰電力を売れば、結果、電気料金をさらに安くすることができます。
太陽光発電と通常の電力を効率良く使うことで、大幅な節約を期待できると言えます。
災害時の停電でも発電電力を利用できる
一般的な太陽光発電には「自立運転」という機能が備わっています。
電力会社からの電力が止まりいわゆる停電状態になると、太陽光発電の付属機器も稼働しなくなるため通常は電気が使えなくなります。
しかし、太陽光発電の自立運転モードに切り替えると、太陽光発電が自分の力だけで稼働するため電気が使えるようになります。
停電が発生した災害時には、たくさんの電力を一気に使うことはできないのですが、電気の明かりを付けることができたり、携帯電話を充電したりできます。
また、冷蔵庫で食品や医薬品の保存、湯沸かしや医療機器使用など、生命を繋ぐ大きな役目も果たしてくれます。
いざというときの災害などでも安心なのが、太陽光発電の魅力です。
太陽光発電のデメリット
数多くのメリットがある太陽光発電にもいくつかのデメリットがあります。
- 発電量は不安定
- 電気機器は交換が必要
- 初期費用がかかる
- 台風などで破損するリスクがある
- 雨漏りするリスクがある
これらの項目をひとつずつ詳しく見ていきましょう。
発電量は不安定
太陽光発電のエネルギー発電量は、天候の良し悪しに左右されます。
夜が長い冬の間は、夏に比べて発電効率が悪くなりますし、雨や曇りなどで日陰の状態になれば、発電効率が下がっていきます。
また、屋根が雪で覆われてしまうと、太陽光が届かなくなり発電量はゼロに近くなります。
ただ、日本は四季があり1年中天候が悪いという地域はありません。
雨や雪が多いと発電量が不安定にはなりますが、晴れた日も多いため過剰に心配する必要はないと言えるでしょう。
電気機器は交換が必要
太陽光発電には、集めた太陽光エネルギーを電気に変えるパワーコンディショナーという装置やモニターが付いています。
これらの電気機器は永久に使えるわけではなく、寿命があります。
最もメンテナンスを必要とする機器がパワーコンディショナーです。電気を創る機器なのでそれなりの負荷がかかっており、使えば使うほど性能が落ちていきます。
一般的に寿命は10~15年とされています。
太陽光発電を設置後、約10年後に一度点検をし、必要があれば部品交換や機器全体の取り換えを行います。
また、定期的なメンテナンスも必要です。運転が急に停止してしまう、発電量が少しずつ落ちているなどの異常があれば、10年経たなくても点検する必要があります。
初期費用がかかる
太陽光発電の設置費は年々下がってきていますが、それでもおおよそ100万~200万円ほどかかります。
枚数や面積によって異なりますが、設置するにはまとまった初期費用が必要になります。
そのため、注文住宅を建てる際に住宅ローンに組み込むことをおすすめします。ローンが組めれば初期費用が高額でも大きな負担になることはまずありません。
また、太陽光発電は初期費用が高くてもエネルギーを創り出し売却することもできるため、7年~10年ほどで元が取れると言われています。
台風などで破損するリスクがある
屋根に取り付けるソーラーパネルは、風の衝撃を受けないよう強固に設置してありますが、それでも台風などの自然災害によって故障するリスクがゼロではありません。
近年では、台風や土砂災害、浸水によってソーラーパネルが破損したケースが多かったようです。
壊れた太陽光発電の設備は自分で修理することはできません。また、破棄処分するにも怪我の危険性があるため、専門業者に依頼する必要があります。
破損した場合、メーカー保証が適用できるのかといった疑問もありますよね。災害や天災での破損は、メーカー保証で修理することができません。
台風や水害による保証を充実させるのであれば、自然災害保険や火災保険に加入しておく必要があります。
雨漏りするリスクがある
屋根に取り付けるソーラーパネルは、どのように設置しているかご存知ですか?実は、屋根に穴を空けてソーラーパネルを固定しています。
そのため、設置する技術力が乏しかったり、安い資材を使って雑に作業したりすると、その穴から雨漏りが発生することがあるのです。
雨漏りの可能性は、設置する施工会社の技術力と信頼によって左右されます。 太陽光発電を設置する際は、依頼する業者の良し悪しにも気を付けるべきですね。
太陽光発電を設置したシュミレーション
では、自宅に太陽光発電を設置した場合、どのくらいの節約になるのかをチェックしてみましょう。
4LDK 38.12坪:太陽光発電12.96kWの事例
システム費用427万円:買取期間20万円
出典:https://www.universalhome.co.jp/
10年で427万円を返済するプランになります。システム価格のところに青い線がありますが、13年を超えると累計の売電収入がシステム価格427万円を超えます。
つまり、20年間で約800万円ほど売電収入で稼げるので、400万円ほど利益がでます。
400万円も利益が出るのであれば、お得ですよね。注文住宅にソーラーパネルを設置するか迷う方は多くいらっしゃいますが、最終的にはプラスになります。
また、太陽光発電設備の費用は住宅ローンに含まれているので、ソーラーパネルを設置してもそこまで負担額が大きくありません。
最終的にプラスになるのであれば、設置したほうがいいですよね。400万円利益が出るということは、その分ローンの返済額が少なくなるということです。
ソーラーパネルを設置したほうがお得なので、迷っている方は設置しましょう。
太陽光発電の設置のポイント
太陽光発電を自宅に導入したいと考えている方は、設置前に見逃せないポイントがあります。しっかりチェックしておきましょう。
立地によって発電量が変わる
太陽光発電を使用するには、「太陽の光が屋根に届く」ことが前提条件です。そのため、家の近くに高いビルやマンションがあり、自宅の屋根に影が差す立地であれば、当然、発電量が下がってしまいます。
また、庭の高木が生い茂って屋根に影をつくったり、雑草や蔦がソーラーパネルを覆うように生えてしまったりすると、発電量の低下を招きます。
屋根にソーラーパネルを設置する際には、自宅の周辺環境や立地条件を細かくチェックしましょう。
- 隣接する建物で屋根に影がかからないか
- 自宅周辺に生えている樹木や雑草によって屋根に影がかからないか
- その他、屋根に影をつくる要因はないか
上記の項目を事前に確認してみてください。
太陽光パネルの設置の安い業者を選ぶ
太陽光発電は設置コストが高額であるため、専門業者間の競争が激しく、押しが強いセールスが多いことも特徴です。
中には不当な金額を請求してきたり、しつこくセールスをしたりと悪徳業者も存在するため、業者選びは慎重に行う必要があります。
コストが安く信頼できる業者を探すには、相見積もりを行いましょう。良さそうな業者を3~5社程度ピックアップし、同じ条件でお見積りをもらいます。金額と項目を比較検討して業者を絞り込みましょう。
見積もりを依頼すると、契約を焦らせたりキャンペーン中だといって気持ちを煽ってきたりすることもあります。
そのような業者とは少し距離を置いて、落ち着いて検討することが大切です。
発電シミュレーションを比較する
太陽光発電を設置する際は、設置コストだけでなく発電量や費用対効果をチェックする必要があります。
発電シミュレーションとは、住まいの地域や屋根形状などの条件からおおよその発電量や節約できる電気料金についてチェックできるツールです。
太陽光パネルを製造している各メーカーごとにシミュレーターを提供しており、ネットで簡単に調べることができます。
ただ、実際の発電量は日照時間や天候、周辺環境によって大きく変動します。平均的な目安として見ておきましょう。
ZEHの家にするのもおすすめ
ZEH(ゼッチ)とはネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略で、太陽光発電を取り入れた「エネルギーを創れる家」のこと。
ZEHは、断熱性が高く省エネの工夫がされていて、さらに自らエネルギーを創り出すことができます。
ZEHの家にすると消費する電気量が大きく抑えられ、さらには国から補助金が支給される制度もあります。
ZEHにするには、ハウスメーカーでZEHの基準を満たしたハウスプランを選ぶか、工務店や建築事務所の場合はZEHプランナーが在籍している必要があります。
一括資料請求サービスなどを使い、多くの業者の情報を集めましょう。そして、ZEHを建てられる家を探すようにしましょう。
まとめ
太陽光発電は、環境に優しく省エネや地球温暖化対策に貢献できるシステムです。さらに、電気代の節約や売電による収益も見込めるなどコスト面でも多くのメリットがあります。
13年で黒字になり、その後はプラスになります。設置を考えている方は、絶対に設置したほうがお得です。
設置する際はポイントを抑え、自宅に最適な太陽光発電を選ぶことが大切です。
注文住宅で太陽光発電装置を設置しようと考えているのであれば、一括資料請求サービスで安く建てられるハウスメーカーや工務店を探すようにしましょう。
住宅は一生に一度の高価な買い物です。数千万円単位になるため、できれば値段を安くしたいものです。
実は値段の高い注文住宅ですが、建売よりも安く家を建てられる方法があるってご存知ですか?
建売でもいいですが、せっかくであれば自由に仕様や間取りを選べる注文住宅がいいですよね。
ただ、注文住宅は失敗してしまう方がほとんどです。夢のマイホームで後悔したくないですよね。
※お断り自由・完全無料