「地球に優しく、災害にも強い家」
これが、いわゆるゼロエネルギー住宅です。
ゼロエネルギー住宅は、近年急増している消費エネルギーを省エネによって節減し、自家発電を用いることで、同等のエネルギーを作り出せる家となります。
石油・石炭・天然ガスなどを使わず、太陽熱によってエネルギーを生み出すため、地球に優しいのが特徴的です。
さらに、太陽光システムを使って自家発電することによって、地震などの災害時にもエネルギーを賄うことができるんです。
これだけメリットが大きな家となると、今から新築を検討している多くの方が、ゼロエネルギー住宅を建てたいと考えるのではないでしょうか。
しかし、ゼロエネルギー住宅を建てるためには、それなりの費用が発生します。
そこで今回は、ゼロエネルギー住宅にかかる費用や補助金についてまとめました。
ゼロエネルギー住宅に、おすすめのハウスメーカーについても触れているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
ゼロエネルギー住宅は補助金
ゼロエネルギー住宅である「ZEH」は、国が強く普及を推奨しています。
そこで設けられたのが、補助金制度です。
この補助金制度を役立てれば、建築する際にかかる費用を大幅にサポートしてくれるんですね。
しかし、補助金は誰でも必ずもらえるわけではありません。
補助金は必ずもらえるわけではない
ZEHの条件を満たした家は、国が実施している補助金の対象となります。
しかし、補助金をもらうためには以下の2つの条件が必要不可欠です。
- SII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)が認定するZEH仕様と条件に必ずする
- ZEHの補助金応募期間までに、間取りや設備等をハウスメーカーと打ち合わせを行い、建築確認申請を出す
つまり、この2つの条件のどちらかが欠けてしまうと、補助金がもらえない事態に陥ってしまうわけなんですね。
また、ZEHの補助金に関しては抽選となります。
なぜなら、環境省が打ち出した2019年現在のZEHの補助金予算は、97億円と決められているからです。
万が一この額を上回る応募があった場合には、上記2つの条件をしっかりと満たしていたとしても、補助金がもらえない人が出てきます。
補助金がもらえる基準
ZEHの補助金がもらえる基準は、以下の定義や条件を満たしている物件です。
- 強化外皮基準(1~8地域の平成25年省エネルギー基準(ηA値、気密・防露性能の確保等の留意事項)を満たした上で、UA値 1.2地域:0.4[W/m2k]相当以下、3地域:0.5[W/m2k]相当以下、4~7地域:0.6[W/m2k]相当以下)
- 再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から 20%以上の一次エネルギー消費量削減
- 再生可能エネルギーを導入(容量不問)
- 再生可能エネルギーを加えて、基準一次エネルギー消費量から 100%以上の一次エネルギー消費量削減
これをわかりやすく解説すると、以下のポイントをクリアしていれば良いことになります。
- 断熱性能が高く、機密性に優れた住宅を実現し、性能の高い省エネ設備を取り入れる。
- 加工されない状態で供給されるエネルギー(一次消費エネルギー)が100%賄える太陽光システムを導入する。
つまり、エアコンに頼らなくても冬は暖かくて夏が涼しい住宅になるような、断熱材や気密性が高いサッシなどを採用し、省エネ設備は次のように設置します。
- 照明器具→ LED
- 換気設備→ 24時間換気システム
- 給湯器→エコキュートやエコジョーズ
- エアコン→ZEH基準を満たす省エネ性能
さらに、太陽光発電システムを設置して一次消費エネルギーを100%以上賄えれば、ZEHの補助金が受け取れる基準を満たすことができるわけです。
そしてもう一つ覚えておいてもらいたいのが、ZEHの補助金申請は以下の3つの条件に該当する人となります。
- 住宅をZEHで新築する人
- 持ち家をZEHに改修する人
- ZEHの新築建売住宅を購入する人
ゼロエネルギー住宅の3つの種類や補助金
ゼロエネルギー住宅であるZEHには、いくつかの種類が存在します。
その種類によって金額や条件が変わってくるため、以下を参考にしてみてください。
ZEH
補助金額:定額70万円(一戸につき)
条件:一次エネルギーの消費量削減率が20%以上であること。
ZEH+
補助金額:定額115万円(一戸につき)
条件:一次エネルギーの消費量削減率が25%以上であること。
また、ZEHと比較して「高断熱」「高度エネルギーマネジメント」「電気自動車の充電設備」いずれかの2つを導入していること。
ZEH+R
補助金額:定額125万円(一戸につき)
条件:ZEH+の条件を全て満たし、停電時に主たる居室で電源を確保できること。
一定の能力を有する蓄電システムや太陽熱システムのいずれか(もしくは両方)が導入されていること。
ゼロエネルギー住宅の費用や金額はいくら?
ここまでの解説によって、ゼロエネルギー住宅であるZEHは、種類別で一定の補助金がもらえる可能性があるとお話ししました。
しかし、建設するために一体いくらぐらい費用がかかるのか気になりませんか。
補助金以外の費用を、どのくらい自己負担しなければいけないのかは、ハウスメーカーによって金額が変わる可能性があります。
ハウスメーカーによって金額が変わる
ZEHの基準を満たすためには、「高断熱」と「気密性」が求められます。
ハウスメーカーが利用する断熱材やサッシ。
さらに住宅の建築技術が、基準を満たすための条件として欠かせなくなってしまうんですね。
つまり、もともと値段を安く設定しているローコストハウスメーカーの場合には、基準を満たすための基本性能に、オプションとしてお金をかけなくてはいけません。
追加費用を払い、高断熱や気密性に力を入れる必要が出てくるので、ZEHにするための費用が高くなります。
逆に、もともと坪単価が高く設定されている大手ハウスメーカーになると、オプションではなく、標準装備で高断熱や気密性を実現しています。
その分、ZEHにかかる費用が安くなる傾向があることを覚えておきましょう。
おおよそ200万円以上は高くなる
上記でご紹介したように、ハウスメーカーによってZEHの費用は変わります。
しかし、通常の一戸建てと比較すると、平均しておよそ200万円以上は費用が高くなってしまうんですね。
これだけ多くの費用がかかってしまうのは、太陽光発電システム等を導入しなければいけないからです。
しかし、ゼロエネルギー住宅を実現するZEHなら、毎月の光熱費が一切かかりません。
月に2万円平均で電気代を支払っている家庭なら、1年で24万円の節約となり、10年間で240万円もお得になる計算です。
これをみていただくとわかるように、初期費用として200万円かかったとしても、10年以内にプラスとなる可能性が出てきます。
ゼロエネルギー住宅おすすめハウスメーカー
今からゼロエネルギー住宅の建築を考えているのなら、ZEHの実績や評判に優れた以下のハウスメーカーがおすすめです!
積水ハウス

大手ハウスメーカーとして知られている積水ハウスは、SII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)に登録されているZEHビルダーになります。
2018年には、北海道以外の都道府県で、ZEHの普及率が79%の実績を誇りました。
この数字を見ていただくとわかるように、まさにZEHに関しての信頼度が高いハウスメーカーです。
そんな積水ハウスのゼロエネルギー住宅では、省エネに創エネをプラスすることにより、地球だけではなく家計にも優しいグリーンファーストゼロを実現しています。
セキスイハイム

大手一流ハウスメーカーとして昔から親しまれてきたセキスイハイム。
阿部寛さんが出演している、テレビCMでもお馴染みですよね。
そんなセキスイハイムでは、ZEHを実現するための重要な項目である断熱・省エネ・創エネといった3つを叶えるための先進設備を、標準採用しています。
また、セキスイハイムならではの独自システム「快適エアリー」は、夏場は湿気のない快適な状態を室内にもたらし、冬は足元からじわっと暖かい心地の良い空間を実現してくれるんですね。
さらに、高性能の3層フィルターが、花粉やPM2.5といった有害物質を大幅にカットできるため、室内の空気を常にきれいに保つことができます。
ミサワホーム

グッドデザイン賞を、28年連続で受賞しているミサワホーム。
こちらのハウスメーカーでは、デザイン性の高いスタイリッシュな外観の家を実現させるだけでなく、ゼロエネルギー住宅にも力を入れています。
そんなミサワホームならではのゼロエネルギー住宅は、基本構造だけでZEH基準の断熱性をクリアしていました。
断熱性の高い建築資材を標準で取り入れ、さらに断熱材をフルに発揮する木質パネルを導入することによって、高い省エネ効果をもたらします。
通常の住宅と比較し、年間で38%もの光熱費を削減しているというのだから驚きですよね。
また、開口部からも熱が逃げないように、大断熱サッシを使うことでしっかりとガードしてくれるのも特徴的です。
アキュラホーム

職人品質を、もっと身近に取り入れるといったコンセプトを打ち出しているアキュラホーム。
そんなアキュラホームも、エネルギー収支がゼロになるこれからの住まいに、とても力を入れています。
特に注目したいのは、独自に取り入れている大容量の太陽光発電システム。
年間に発生する一次エネルギー消費量は、ゼロを実現しているため、スムーズにZEHの条件や仕様をクリアすることができます。
また、余分なエネルギー消費を防ぐ省エネ設備や、断熱性能もしっかりと取り入れている点も高く評価したいですね。
一条工務店

一条工務店が取り入れているのは、ただのZEHではありません。
通常のZEH基準を大幅に上回る「超ZEH」です。
そんな超ZEHを実現させるために、一条工務店が力を入れているのは、完璧な断熱性を実現した超省エネになります。

床や天井といったすべての箇所に高性能ウレタンフォームを採用しました。
さらに、熱が逃げやすい開口部となる窓のサッシには、ペアガラスアルミサッシと比較して5倍の断熱性がある「防犯ツインLow-Eトリプル樹脂サッシ」を導入しています。
このような工夫と努力により、国が定めるZEH基準を、2倍以上も上回っているのが特徴的です。
また、オプションではなく、標準仕様で高性能な家を実現しているところも魅力的ですね。
ZEHの家を安く建てるコツ
国は、2020年までに標準的な新築住宅をZEHにし、2030年にはZEHが新築住宅の標準なることを目指しています。
つまり、今からマイホームを建てようと考えている方にとって、ZEHをいかに安く建てられるかが、最も重要となってくるんですね。
そこで、ZEHの家を安く建てるためには、以下の3つのコツがあることを覚えておいてください。
必ず相見積もりをする

ZEHにするための費用は、ハウスメーカーによって大きく異なります。
その理由は、上記でも解説しているように、ZEH基準を満たすための設備がハウスメーカーによって標準装備だったり、オプションだったりするからです。
そこで重要なのが、相見積もりを取ること!
相見積もりによってハウスメーカーごとの価格を比較できれば、どこを選べば1番安いのか、一目瞭然でわかります。
逆に、相見積もりをとらない状態で契約してしまうと、後になって「他のハウスメーカーの方が安かった」と悔いが残る可能性が出てくるんですね。
家は高額な買い物となるため、差額が1,000万円以上になる可能性も少なくありません。
ZEHが得意なメーカーに依頼する
ZEHは、SII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)が認定する仕様と基準をクリアしなければいけません。
なかには、この基準をきちんと満たすことができず、補助金の申請が降りなかったケースも存在します。
このような事態に陥らないためには、ZEHが得意なメーカーに依頼すると間違いないですね。
特に、上記でご紹介した積水ハウスのようなSIIに登録されているZEHビルダーなら、安心してお任せすることができるでしょう。
ZEH住宅専用の一括資料請求を活用

ZEH住宅を検討されている方は、各メーカーのホームページからも資料を入手することができます。
しかし、直接メーカーのホームページから資料を一つ一つ入手するのは面倒ですよね。
さらに、ホームページから資料を入手したことによって、営業マンからしつこい勧誘の電話がかかってくる可能性も出てきます。
このようなデメリットを解消するためには、ZEH住宅専用の一括資料請求を有効活用しましょう。
一括資料請求を便利に活用すれば、好きなときにスマホやパソコンから、一度の手間で多くのハウスメーカーの資料を手に入れることができます。
これなら、営業マンからしつこい勧誘の電話がかかってくる可能性もありませんし、自宅でじっくりと比較することができますよね。
また、一括資料請求によってハウスメーカーをある程度絞ることができれば、無駄に展示場を見に行く必要がありません。
時間の節約にもつながるので、ぜひこの機会に活用してみてくださいね。
住宅は一生に一度の高価な買い物です。数千万円単位になるため、できれば値段を安くしたいものです。
実は値段の高い注文住宅ですが、建売よりも安く家を建てられる方法があるってご存知ですか?
建売でもいいですが、せっかくであれば自由に仕様や間取りを選べる注文住宅がいいですよね。
ただ、注文住宅は失敗してしまう方がほとんどです。夢のマイホームで後悔したくないですよね。
※お断り自由・完全無料