出典:https://tamagawahousing.co.jp/
建築業界で、大きな注目を集めるZEH(ゼロエネルギー住宅)ここ数年の間で、幅広く普及されるようになりました。
通常の新築住宅と比較して、建築の初期費用が発生するにもかかわらず、なぜここまで人気集めるのか不思議に思う人もいるでしょう。
そこで今回は、ZEH(ゼロエネルギー住宅)の基本的な知識や、平屋をゼロエネルギー住宅で建築する際の費用やコツについて解説します。
ゼロエネルギー住宅を平屋で建てたい人は、ぜひ役立ててみてください!
ゼロエネルギー住宅とは
出典:スーモ
ゼロエネルギー住宅のことを、ZEHと呼びます。
ZEHとは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略となる言葉なんですね。
住宅で消費するエネルギーを、創るエネルギーによって賄い、ゼロ以下に目指す住宅のことを指しています。
そもそも、住宅で消費するエネルギーとは、以下の4つが代表的です。
- 冷暖房
- 給湯
- 換気
- 照明
この4つの項目はすべて、人間が暮らしていくために、欠かすことができないエネルギーですよね。
光熱費の多くを占める部分でもあり、電気として加工・供給される前の天然ガスや石油といった「一次エネルギー」を最も多く使います。
しかし、天然ガスや石油といった原料は、環境汚染や、地球温暖化に拍車をかけてしまうため、世界中で深刻な問題となっているんですよ。
人類が末永く快適に暮らしていくためには、地球に優しい環境を心がけなくてはいけません。
そのため、一次エネルギーの消費量を少なくする試みが世界中で行われているんですね。
日本政府が、2020年までにZEHを新築住宅の標準にしようとしているのも、まさにエコの観点からです。
また、ZEHのすごいところは「省エネ」によって一次エネルギーの削減を図るところだけではなく、太陽光パネルを使った「創エネ」によって、自給自足を可能にするところにあります。
住宅の断熱構造を強化し、省エネ効果のある家電を導入することでエネルギーの節約ができれば、創るエネルギーで全てを賄うのも夢ではありません。
むしろ、創るエネルギーによって消費エネルギーを上回ることができるので、使わない電力を売って収入を得ることも可能です。
ゼロエネルギー住宅の平屋の価格
ZEHで新築住宅を建てると、通常の住宅と比較して費用が高額になります。
なぜ高額になるのかというと、住宅の気密性を高くするために、構造自体の断熱を強化しなければいけないため、資材の原価が高くなるからなんですね。
一般的な平屋住宅にプラスアルファの費用が発生するので、土地を含まない住宅の本体価格は2,000~3,000万円が平均です。
なお、平均値に1,000万ほどの違いがあるのは、延床面積によるものだと覚えておいてください。
延床面積は住宅全体の面積を表すものです。
敷地の広い土地に大きな平屋を建築すれば、その分コストがかかります。
反対に、面積が狭ければその分費用を抑えることができるため、延床面積が100 m2未満であれば、平均して2,000万円ほどで、ZEH住宅の平屋を建てられるでしょう。
ただし、平均価格はあくまで一般的な数字です。
平屋を建築する際に利用する、ハウスメーカーや工務店によっても、坪単価に違いがあることを理解しておいてください。
ゼロエネルギー住宅の平屋の事例
それでは、実際にゼロエネルギー住宅であるZEHで、平屋を建築した事例をいくつかご紹介していきましょう。
ゼロエネルギー住宅の平屋事例1
出典:https://aitohus.com/2017/08/23/3957/
こちらの平屋住宅は、山口県の森林に囲まれた小高い丘の上に建築されました。
平屋は、構造によって一般的な2階建て住宅よりも断熱性能の数値(UA値など)が悪くなってしまいがちですが、なんとUA値0.36の家になります。
高断熱が求められる北海道地区などは、UA値の基準値が0.46となっているため、これを大きく上回る結果になっているんです。(UA値は数字が小さくなるほど性能が良い)
大きな窓を作ってもこれだけの断熱性能を維持できるのは、住宅の構造に性能の高い断熱材や、窓枠を利用しているからです。
「断熱 + 省エネ + 創エネルギー」のZEHで、平屋を建築したことにより、いかに断熱性能に優れているのかがわかりますね。
ゼロエネルギー住宅の平屋事例2
こちらの住宅は、敷地面積がおよそ150坪あります。
正方形ではなく、東西に長い敷地となっているため、2階建て住宅よりも平屋で建築することになりました。
大きな特徴は、主に2つあります。
まず1つ目はスッキリ感を重視しているガルバリウム鋼板の屋根。
ZEH住宅は太陽光パネルが必須となるため、パネルの存在感を少しでも軽減させるために、このような素材を利用したシンプルなデザインにしています。
出典:https://aitohus.com/2017/07/04/2550/
そして2つ目は、南側の正面軒。
正面軒を深くすることで、冬は日差しを取り入れやすくし、夏は日差しを遮ることができるんですよ。
日射によって室温をコントロールすることができれば、その分冷暖房による消費エネルギーを少なくすることができます。
窓枠も、気密性を高めるための工夫がしっかりと施されているため、外気による室温の低下や上昇も防ぐことができますね!
ゼロエネルギー住宅の平屋を安く建てるコツ
ZEHで平屋を安く建築したいのであれば、3つのポイントを重視しなければいけません。
- 売電収入と省エネのバランス
- ZEH住宅を建築する際の業者選び
- 坪単価や合計費用の比較
では、これらのポイントについて一つ一つ解説していきますね。
売電収入と省エネのバランスがきちんとゼロになるのか
ZEHで住宅を建築したからといって、電気代が0円になるわけではありません。
なぜなら、電気を蓄えられる「蓄電池」をプラスしたとしても、太陽光パネルは天候に左右されるため、電力会社なしでは電力が不安定となるからです。
もちろん、断熱構造や省エネ効果によって電気代は大幅に節約できるので、一般的な住宅と比較すると、1/3程度になります。
この電気代を、売電収入によってゼロ以下にするのがZEH住宅の基本です。
したがって、ここを最も重要視しなくてはいけません。
太陽光パネルの容量はもちろん、光熱費を大幅に節約できる構造がしっかりと実現するのか、この点をポイントにZEHで平屋を建てるようにしてください。
ゼロエネルギー住宅が得意の業者に依頼する
ZEH住宅は、建築業界にとって新たな試みとなります。
政府が、ZEHの新築住宅を標準住宅にすることを目標にしている以上、多くの業者が力を入れるようになっていますが、新しい取り組みに不慣れな業者も少なくありません。
実績の少ない業者に依頼してしまうと、後にトラブルが発生してしまい、厄介なことを引き起こす可能性もあるんですよ。
また、2019年10月時点で、ZEH住宅は国の補助金対象になっていますが、受け取るためには、認定されたビルダー(ハウスメーカーや工務店)に依頼する必要があります。
必ず価格を比較する
ハウスメーカーや工務店によって、ZEH住宅を建築するための費用には、大きな差があることをご存知でしょうか。
その差は、なんと1,000万円以上!
つまり、同じZEH住宅を建てるにしても、業者によってこれだけの差が出てしまうんですね。
1,000万円安く建築することができれば、その分を内装費用に回したり、車を買い替えたりすることも可能です。
このような失敗を引き起こさないためには、あらかじめ相見積もりで価格を比較しましょう。
1つの業者だけで決めてしまうと、後になってから価格の差に気づき、後悔する人も少なくありません。
まとめ
今回は、ゼロエネルギー住宅とはどんな家なのかをご紹介しながら、平屋を建築した際の費用や事例についてご紹介しました。
ZEH住宅を平屋で建てるためには、自分自身で情報収集をし、必要な知識をしっかりと把握しておくことが大切です。
業者任せにして失敗してしまった例も多いため、ぜひこの機会にZEHについてじっくりと考えてみてくださいね。
住宅は一生に一度の高価な買い物です。数千万円単位になるため、できれば値段を安くしたいものです。
実は値段の高い注文住宅ですが、建売よりも安く家を建てられる方法があるってご存知ですか?
建売でもいいですが、せっかくであれば自由に仕様や間取りを選べる注文住宅がいいですよね。
ただ、注文住宅は失敗してしまう方がほとんどです。夢のマイホームで後悔したくないですよね。
※お断り自由・完全無料