狭小住宅

狭小住宅・小さい家の間取りを決めるポイント!広く使うコツは?

引き渡し

法律の制限などで、現在の土地に狭小住宅や小さい家でなければ建てられない場合、普段過ごすスペースはできるだけ大きく残したいですよね。

狭小住宅や小さい家を建てることを検討する場合、まずは「家族の人数から考えて、どのくらいのスペースが必要なのか」を把握しておくことが大事です。

そのうえで、狭小住宅や小さい家の間取りを工夫することで、限られたスペースであっても広々と感じられる居住空間を作ることが可能です。

こちらのページでは、狭小住宅や小さい家の特徴と間取りを決めるときのポイントについてご紹介します。

限られたスペースでも広々と感じられる狭小住宅や小さい家を建てるためにも、ぜひ今回の内容を役立ててみてください。

狭小住宅・小さい家の特徴

狭小住宅・小さい家は、スペース自体は狭くても、さまざまなアイデアを採り入れて室内を広く感じられるように建てることが可能です。

多くの場合、法律の制限によって、大きな家を建てられない場合に、狭小住宅や小さい家の建築を検討することになります。

ただ、さまざまなアイデアを採り入れて狭小住宅や小さい家を建てる場合でも、家族が7人などと大人数であると、快適に住み続けるのは難しくなってしまいます。

4人家族でも小さな家に住めるのか

それでは、7人などの大人数ではなく、4人ほどの家族であれば、狭小住宅や小さな家でも快適に住み続けられるのでしょうか。

4人家族で1つの住宅で生活する場合、必要な部屋と坪数をまとめると以下の表のようになります。

部屋の種類 坪数 備考
LDK 8坪 4人家族で過ごす場合に最低限ほしい坪数。
玄関 1坪 玄関から各部屋に進むホールと合わせて1坪はほしい。
寝室 3坪 ベッドを設置して寝るだけにする場合は、3坪あれば十分に足りる。
階段 1.5坪 おおよそでこのくらいの坪数は必要になる。
浴室 1坪 基本的な浴室の広さ。
洗面場 1坪 基本的な洗面場の広さ。
トイレ 1坪 1階と2階の両方にトイレを設置する場合の合計の坪数。
子供部屋 4.5坪 子供部屋2つ分の坪数の合計。
2階ホール 1坪 2階に上がって各部屋に進むためのスペースに必要な坪数。
収納スペース 2坪 4人家族なら、少なくともこのくらいのスペースは必要。
合計 24坪

こちらの表のように、4人家族で1つの家に住む場合、目安として最低でも合計24坪は必要です。

ただ、24坪のスペースがあったとしても、室内に置く家具が大きいサイズであれば、室内をスムーズに移動しづらくなりますし、家自体を窮屈に感じやすくなります。

そのため、仮に24坪の住宅に家族4人で住む場合には、なるべく小さめの家具を選んで設置しなくてはなりません。

「最低でも24坪のスペースがあれば4人家族でも暮らしていける」というのは、あくまでも目安であると考えるようにしてください。

家族1人増えるごとに必要な住宅のスペース

それでは、4人から5人へと家族の人数が増える場合、必要な坪数は24坪からどのくらいまで増やさなくてはならないのでしょうか。

家族の人数が1人増える場合、必要な部屋の数が1人分増えることになります。

このケースを計算式で表すと、以下のようになります。

部屋2坪(1人分の坪数) + 収納0.5坪(1人分の坪数) = 2.5坪

さらに、家族5人が入れるようにリビングも広くする必要があるため、その分のスペースとして1坪は必要です。

その他にも、部屋数が増えることで、通路となる廊下やホールも広めのスペースがほしくなるため、追加で0.5坪は必要です。

これらを合計しますと、4人家族から5人家族に増えるとすると、「増える人数1人あたり4坪のスペースが必要になる」ということになります。

この目安にあてはめて考えると、5人家族であれば最低でも28坪のスペースが必要です。そして、6人家族であれば32坪のスペースが最低限必要です。

この目安を参考にすれば、現在の家族の人数から、最低でもどのくらいの坪数・スペースが必要なのかがわかります。

ただ、あくまでも最低限必要な坪数の目安であり、室内に置く家具の大きさや形によっては室内が窮屈になるため、参考としてお役立てください。

狭小住宅・小さい家のメリット

狭小住宅や小さい家を建てるとは言っても、言葉通りに狭くて窮屈に感じてしまう家では、毎日の生活が苦痛になってしまいますよね。

しかし、狭い土地に建てる狭小住宅や小さい家を建てることによって、以下のようなメリットがあります。

  • 安く建てられる
  • 毎日の掃除・お手入れがしやすい
  • 建築後のメンテナンスがしやすい

これらのメリットについて、1つずつご紹介していきます。

安く建てられる

狭小住宅や小さい家を建てる場合、一般的なサイズの注文住宅を建築する場合に比べて、建築費用を安く抑えることが可能です。

さらに、毎年支払わなければならない固定資産税の金額も少なくなりますし、住宅ローンの返済額も少なくなるので、経済的な負担がかなり軽くなります。

これらにより、注文住宅という大きな買い物をした後でも、日々の生活レベルを落とすことなく、心に余裕を持って生活することが可能です。

また、これから住み続ける住宅のメンテナンス費用のために、貯金をしながら資金計画を立てていくこともできます。

毎日の掃除・お手入れがしやすい

狭小住宅や小さな家であれば、室内の面積も小さいです。そのため、室内で掃除機をかけたり窓を拭いたりする際にも、すぐに清掃作業を終えることができます。

特に、高齢になればなるほど、掃除するときだけに限らず、住宅の内外を目でチェックするのが大変になってしまいます。

また、大家族でもない限り、日常生活を送る際には、それほど大きく広々としたスペースは必要としないケースが多いです。

これらのことから、2~4人ほどと家族がそれほど多くない場合には、あらかじめ小さい家を建てて住むことにすることで、必要以上に広すぎる住宅よりも長期的に快適に過ごしやすくなります。

建築後のメンテナンスがしやすい

狭小住宅や小さい家であれば、一般的な大きさの注文住宅に比べて小型であるため、その分だけメンテナンスにかかる費用が少なくて済みます。

たとえば、外壁塗装をする際には、塗装する壁の面積が小さくなるため、一般的なサイズの住宅に比べて塗装にかかる費用を抑えられ、短い工期で作業を終えることも可能です。

また、小さい家であるほど、壊れている箇所などがあるときに目に付きやすくなるため、補修すべき箇所の早期発見ができるのもメリットです。

狭小住宅・小さい家のデメリット

さまざまなメリットのある狭小住宅や小さい家ですが、以下のようなデメリットも存在します。

  • 室内を狭く感じる
  • 収納が足りなくなる恐れがある

狭小住宅や小さい家を建てる前に、これらのデメリットについてもチェックしておきましょう。

室内を狭く感じる

狭小住宅や小さい家の場合、どうしても必要最低限のスペースのみを確保して住宅を建てることになります。

そのため、狭小住宅や小さい家であると、一般的な広さを持つ住宅のように、「一見必要ないように感じるスペースがあることで、快適さやゆとりを感じられる」ということがありません。

無駄なスペースをできる限り削る方向で家を建てることになるため、室内を狭く感じることは、ある程度仕方がないと言えます。

収納が足りなくなる恐れがある

狭小住宅や小さい家であれば、その分だけ荷物をしまうための収納スペースも限られてきます。

そのため、実際に小さい家を建てて住み始めてから、家具などの荷物が増えていった場合、いつかは荷物を収納しきれずにリビングなどに出しっぱなしになる可能性が高いです。

このことから、狭小住宅や小さな家の建築を検討している場合には、「今後どのような荷物が増える可能性があるか」まで考えつつ、住宅プランを立てるのがよいでしょう。

狭小住宅・小さい家の間取りの実例をご紹介

狭小住宅・小さい家の間取りの実例を、平屋・2階建て・3階建ての順にご紹介します。

これから、狭小住宅や小さい家の建築計画を立てる際の参考としてお役立てください。

また、それぞれの実例に記載されている値段は、住宅本体の価格の目安です。

建築する地域によって値段が変動し、必ずしもその値段で建てられるとは限らないため、その点はご注意ください。

1,500万円狭小住宅(小さい家)平屋

出典:スーモ

本体価格1,500万円の狭小住宅・小さい家の平屋になります。屋根に瓦を使用しており、日本らしい外観の平屋になっています。

延床面積は50.30㎡ほどであり、2人家族・夫婦で住むのにおすすめです。

1,500万円狭小住宅(小さい家)平屋の間取り

出典:スーモ

本体価格1,500万円狭小住宅・小さい家の平屋の間取りです。

玄関には土間と収納スペースがあり、ゆとりをもって使うことができます。

また、LDKや洋室に加えて和室があり、来客時などで有効活用できます。

小さい平屋を計画中の2人家族・夫婦の方であれば、こちらの住宅を参考に建築プランを立ててみてはいかがでしょうか。

1,326万円狭小住宅(小さい家)2階建て

出典:スーモ

本体価格1,326万円狭小住宅・小さい家の2階建てになります。

細長い三角形の土地に建てられており、法律の制限をいくつもクリアして建築されました。

延床面積は48.52㎡ほどであり、2人家族・夫婦で住むのにおすすめの住宅になります。

1,326万円狭小住宅(小さい家)2階建ての間取り

1階

出典:スーモ

2階

出典:スーモ

本体価格1,326万円狭小住宅・小さい家の2階建ての間取りです。玄関には土間収納があり、自転車等の大きめなものもしまえます。

また、2階部分にはバルコニーが2つあり、それぞれのバルコニーから風や日光を取り込むことが可能です。

小さめの土地をすでに持っていて、2階建てを建てたいと考えている2人家族・夫婦の方であれば、このような住宅の建築を検討してみるのもいいのではないでしょうか。

1,730万円狭小住宅(小さい家)3階建て

出典:スーモ

本体価格1,730万円狭小住宅・小さい家の3階建てになります。

こちらは長方形の形の土地に建てられており、住宅本体はシンプルな四角形の形に作られています。

延床面積は88.39㎡ほどであり、3~4人家族で住むのにおすすめです。

1,730万円狭小住宅(小さい家)3階建ての間取り

1階

出典:スーモ

2階

出典:スーモ

3階

出典:スーモ

本体価格1,730万円狭小住宅・小さい家の3階建ての間取りです。2階部分はLDKのみになっており、1つの階を広々と使うことができます。

左側の中央にある階段を囲むように部屋が配置されており、できる限り通路の部分を削って居住スペースを増やす工夫がなされています。

細長い土地を持っており、3階建ての建築を考えている3~4人家族の方の場合、こちらの住宅を参考に建築プランを検討してみてはいかがでしょうか。

狭小住宅・小さな家の間取りのポイント

狭小住宅や小さい家の場合、住宅自体が小さい分だけスペース自体が狭くなってしまいます。

そして、狭小住宅や小さい家でも、なるべく窮屈感を感じないようにしつつ、過ごしやすいようにするためには、間取りについて様々な工夫をすることが大切です。

狭小住宅・小さな家の間取りについてのポイントとして、以下のものがあります。

  • 廊下をできるだけなくす
  • 階段を住宅の真ん中あたりに持ってくる
  • 階段下のスペースを有効活用する
  • 収納をできるだけ多めに確保する
  • 必要な建具のみ設置するか開放できる建具にする
  • ハイドアを効果的に活用する
  • 窓の配置や種類を工夫してみる
  • それぞれの家具・設備の必要性を考える

こちらでは、これらのポイントについて1つずつご紹介します。

廊下をできるだけなくす

廊下はあくまでも移動するときにだけ通る場所であるため、狭小住宅や小さい家を建てる際には、できるだけ廊下になる部分を削った間取りにしましょう。

廊下の部分を削りつつ、部屋として過ごすスペースをできるだけ広く取る方が、同じ面積であっても住んだときの満足度が大きくなります。

階段を住宅の真ん中あたりに持ってくる

階段を住宅の真ん中あたりに設置することで、2階部分の廊下を必要最小限にすることが可能です。

そして、この分の面積を収納スペースや部屋に割くことで、限られた面積を無駄なく利用できるようになります。

階段下のスペースを有効活用する

階段の下にできるスペースは意外と大きいため、狭小住宅や小さい家を建てる際には、この部分のスペースを有効活用した方が良いです。

たとえば、収納スペースを設置しても良いですし、トイレの場所にするのも良いでしょう。

階段下のスペースを有効活用することで、その分だけ家族が過ごす面積を広めにとることが可能です。

収納をできるだけ多めに確保する

狭小住宅や小さい家では、家族が過ごす場所だけでなく、収納スペースの面積も限られています。

そして、収納スペースの面積は、居住スペース以上に大きめに取ることが大切です。

その理由は、収納スペースをなるべく大きめに取ることで、居住スペースに置く家具の数を必要最小限にでき、その分だけ部屋を広々と使えるためです。

ただ、収納スペースを大きめに取るとは言っても、大きな収納スペースが住宅内に2~3ヶ所あるような場合には、収納スペースとして利用しづらくなります。

それぞれの部屋の中や、部屋と部屋との間などに、必要な収納スペースをそれぞれ振り分けておく方が、小さくても快適に過ごしやすい住宅になります。

必要な建具のみ設置するか開放できる建具にする

建具(たてぐ)とは、ドアや引き戸などのように、「開け閉めして部屋を仕切る物」のことです。

そして、狭小住宅や小さな家を建てる場合、冷暖房効率やプライバシーを考えつつ、「建具を付けた方が良い」という箇所にのみ、建具を取り付けるようにしましょう。

そうすることで、視覚的に室内の狭さを感じにくくなります。

また、引き戸やふすまのように、開けっ放しの状態にできる建具も取り入れて、必要な時だけ建具を閉めるようにすることでも、室内での窮屈感をやわらげることが可能です。

ハイドアを効果的に活用する

ハイドアとは、「天井までの高さを持つドア」のことです。

ハイドア

出典:LIXIL

リビングなどの人目につきやすい場所のドアをハイドアにすることで、通常のドアに比べて室内を広く感じられるようになります。

ハイドアは、普通のドアに比べて費用が高いため、来客時などで目に付きやすい場所に設置すると良いでしょう。

窓の配置や種類を工夫してみる

窓の配置や種類を考える場合、できるだけ光を採り入れやすくすることを意識して決めるようにしましょう。

その理由は、室内が暗いときよりも明るいときの方が、室内を広く感じられるためです。

また、高めの位置に窓を取り付けた場合や、設置する窓を縦長のものにした場合には、室内の印象が明るくなるのでぜひ検討してみましょう。

それぞれの家具・設備の必要性を考える

狭小住宅や小さい家の場合、一般的な広さの注文住宅に比べてスペースが小さいです。

そのため、好きな家具をたくさん置いたり、大きくて便利な設備を置いたりすることができません。

たとえば、リビングにソファーを置くことは難しいでしょうし、キッチンに食器洗い乾燥機を置くスペースは確保しづらいでしょう。

そして、これらの家具・設備を無理やり室内に置いた場合、スペースが狭すぎて過ごしづらい家になってしまいます。

そうならないためにも、置きたい家具・設備があるときには、「多少スペースを圧迫したとしても必要なものか」を考えたうえで置くべきかを決めましょう。

まとめ

狭小住宅や小さい家を建てる場合、4人家族であれば最低でも24坪の面積があれば、限られたスペースでも普通に生活することが可能です。

そして、廊下などの通路にしかならない場所をできるだけ削り、居住スペースをできるだけ広く取るようにすることで、実際には狭い室内でも広々と感じられるようになります。

狭小住宅や小さい家の間取りを決める際には、ぜひ今回のページの内容を役立て、ゆったりと快適に生活しやすい住宅プランを組み立ててください。

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