注文住宅

一条工務店の平屋、本体工事費1,500万円で建てられるか?

念願のマイホーム計画で気になるのは、やはり予算ですよね。

予算が十分でないために、品質や住宅性能を落とした結果、満足が得られないばかりか、コストパフォーマンスの悪い住宅になってしまっては、高い買い物になってしまいます。

一条工務店のキャッチフレーズの一つに、「 家は、性能 」があり、同社の住宅は、標準仕様でも住宅の基本性能が高く、コストパフォーマンスの面でお得というのが定評です。

そこで今回は、本体工事費1,500万円で同社の平屋住宅を建てられるか? について、チェックしてみたいと思います。

規格住宅という選択の根拠

いきなりの結論、ではないですが、残念ながら本体工事費1,500万円では一条工務店の「 注文住宅 」は難しく、実際には最安値の規格住宅の選択しかありません。

一条工務店の注文住宅の本体価格相場は、65〜100万円/坪ですから、本体価格を1,500万円に納めるためには、低価格商品でも延床面積を23坪ほどにしなければなりません。

この坪数で可能なのは、セカンドライフ用の1LDKもしくは2LDKで、標準的な子育て世代のファミリータイプの間取りにはなりません。

もう少し具体的に、一条工務店の注文住宅では難しく、規格住宅なら可能性がある理由を説明していきましょう。

注文住宅・規格住宅の本体価格相場

まず、一条工務店の住宅商品と規格住宅の構成、ならびに本体価格相場を紹介しておきます。

本体価格1,500万円とした場合の可能坪数
商品名 本体価格相場 可能坪数
グランスマート 80万円〜/坪 〜18.75坪
グランセゾン 75万円〜/坪 〜20.00坪
アイスマート 70万円〜/坪 〜21.42坪
セゾン
百年
アイキューブ 65万円〜/坪 〜23.07坪
セゾンA
ブリアール
アイスマイル(規格住宅) 60万円〜/坪 〜25.00坪
ハグミー(規格住宅) 50万円〜/坪 〜30.00坪

 

表からもわかるように、本体価格1,500万円で選べる商品は、セカンドライフ用としてもアイキューブ以下の5商品になります。

ファミリータイプであれば、アイスマイルとハグミーの規格住宅しかないのが現実です。

それでも十分な広さとはいえませんが、平屋の場合は階段・ホールが不要ですから、2階建てよりも2〜4坪ほどは有効に使えるスペースが増えます。ギリギリOKかもしれませんね。

規格住宅:アイスマイルの概要

アイスマイルは、一条工務店のセミオーダータイプの規格住宅です。セミオーダーですから少しは変更できるかもしれませんが、予算を抑えるためには、プラン変更しない方がいいでしょう。

アイスマイルは2020年にキッズデザイン賞を受賞しており、4,000プランが用意されています。

この中に、平屋のバリエーションがどれぐらいあるのかは不明ですが、よほどのこだわりがない限り、希望に近い間取りが見つかるのではないでしょうか。

ユーザーは、専用タブレットで間取りや仕様を選択することができ、見積り金額も即座に確認できるようになっています。

<アイスマイルの標準仕様と性能>

  • 耐震等級3以上で、家族と暮らしを守る家
  • 業界トップレベルの省エネ&快適住まい(ZEH基準)
  • 長期優良住宅仕様
  • 熱交換型全館換気システム(ロスガード90)で健康的な住環境
  • 充実した設備と収納
  • 全面タイル張りの外壁でメンテナンス費用が抑えられる

アイスマイルは、一条工務店の「 家は、性能 」を受け継ぎながらも低価格商品としており、キッズ賞を受賞しているように子育て世代を意識したものです。

規格住宅:ハグミーの概要

ハグミーは一条工務店の45周年記念として、期間&棟数限定の商品で、最低価格1,490万円からと、まさに本体価格1,500万円以内に収まる商品です。

ただし、選べるプランは、アイスマイルに比べて圧倒的に少なく、100プランから選ばなければなりません。

また、45周年の期間限定ですから、2023年末に終了される可能性があります。ですから、詳細は省略しますが、性能や仕様はアイスマイルとほぼ同等と見ていいでしょう。

本体工事費以外に必要な費用

住宅の本体工事費用は、付帯工事費や諸費用を含めた建築総費用の70%ほど、と言うのが一つの目安になっています。

本記事のテーマ、本体価格1,500万円から逆算すると、建築総費用は2,140万円ほどになります。

付帯工事費:建築総費用✕20%

付帯工事には、仮説足場や屋外給排水、そしてアプローチやカーポートなどの外構工事が含まれ、敷地の形状や外構計画などによって必要な費用は上下します。

目安としては、建築総費用の20%ほどで、上の試算額を元にすると430万円ほどになります。意外に大きな金額ですね。

費用を抑えるためには、植栽などの外構は、地域の専業者にお願いする方が安くなることもありますので、事前に相見積りをとっておく方がいいでしょう。

諸費用:建築総費用✕10%

諸費用は、ローン保証料や登記などに必要な費用で、金融機関や司法書士などの手続き費用も含まれており、目安の費用は、215万円ほどになります。

ただし、諸費用の内容や金額は、借入先の融資機関によって変動しますので、事前に各融資窓口で相談・確認しておくといいでしょう。

近年はネットバンクの普及で、金利やローン保証料などの諸費用で有利なところがあり、住宅ローンの顧客満足度ランキングなども発表されていますので参考にしてください。

住宅ローン:オリコン顧客満足度ランキング

一条工務店以外の選択と可能性

以上で述べたように、一条工務店で本体価格1,500万円のファミリータイプの平屋は無理ではありませんが、厳しいのが現実です。

また、可能性はあってもオプションの余裕がない、というのが実情でしょう。

では、ゼロに戻って、一条工務店以外ならどうか。近年の値上がり傾向の中では、いわゆるローコスト住宅メーカーでも厳しいのは変わりませんが、比較検討する価値はあります。

一条工務店ではできなかった自由設計の注文住宅が可能かもしれないのです。

ローコスト住宅メーカー

ここでは、主なローコスト住宅メーカーの平屋を紹介しますので参考にしてくださいね。

アイダ設計

     アイダ設計:オープンテラスのある平屋(延床面積27.3坪)

同社は、「正直価格」をアイデンティティーにしている会社です。上のプランでは、勾配天井、フルオープンテラスサッシ、防犯硝子サッシなどを特徴としています。

何より、この坪数と消費税込みの1,535万円は安いですね。

アイフルホーム

      アイフルホーム 施工事例:本体価格1,500万円/26.0坪

片流れ屋根が多い中で、写真の平屋はシンプルな切妻屋根で、シンボリックなデザインですね。

また、外壁のブラックと玄関ポーチ枠のブラウンの対比がオシャレで、注文住宅らしい外観です。

アエラホーム

      アエラホームの平屋

同社の住宅は、高断熱・高気密・高遮熱を特徴としており、ハウスオブ・ザ・イヤー・イン・エナジーを連続受賞しています。

ホームページ上で公表しているUA値(外皮平均熱貫流率)や気密性能のC値(相当隙間面積)は、一条工務店とほぼ互角ですから、十分に比較検討できるハウスメーカーだと思います。

セミオーダーの規格住宅に、KU・RA・SHI・KUがあり、坪単価相場は、65万円台〜となっています。

ユニバーサルホーム

         ユニバーサルホームの平屋

地熱を利用した床暖房で有名なハウスメーカーです。コンセプトは、ワンフロア+α空間でスキップフロアや小屋裏を利用した間取りとなっています。

坪単価相場は、55〜65万円となっています。

タマホーム

         タマホーム(本体価格:1,087万円)

上記はキャンペーン中の地域限定の厳選20プランの企画住宅1LDK(延床16坪)ですが、屋外給排水などの付帯工事、さらには消費税を含めた価格ですから驚きですね。

さすがにローコスト住宅メーカーらしい価格設定で、相見積りメーカーの候補にはいるでしょう。

レオハウス

      レオハウスの平屋

ヤマダ電機を中心としたヤマダホールディングスグループを親会社に持ち、全国展開しているハウスメーカーです。

伝統ある注文住宅の小堀住研のノウハウや技術を受け継ぎ、質の高い住宅を供給しています。少し高めですが、完全自由設計の60万円台/坪は、比較検討対象になると思います。

ハウスメーカーを選ぶ時の基準

以上、一条工務店の規格住宅と比較検討できる、主だったローコストハウスメーカーの平屋を紹介しました。それぞれ各ハウスメーカーの特色が表れていますが、迷いますよね。

ですから、マイホームに何を望むかを明確にしておく必要があります。

価格、外観デザイン、間取り、住宅性能、内外装や設備の標準仕様、などに優先順位をつけ、各ハウスメーカーの自分なりのチェック表や点数表を作るのも有効かもしれません。

また、建築総費用1,500万円で無理なら、毎月の支払いをいくらまで増やせるかなど、あらゆる面から検討しておくべきです。ただし、無理はいけませんよ。

光熱費の削減で支払える太陽光発電システムの初期費用

本記事で紹介した各ハウスメーカーの本体価格相場には、太陽光発電システムは含まれていません。ですが、現在の新築では是非とも採用したいオプションだと思います。

一条工務店の試算を参考にすると、太陽光発電システムの初期費用は、単純計算では10年間で償却できる内容となっています( 太陽光発電システムによる光熱費試算 )

ですから、今回の本体価格1,500万円とは別枠で検討してもいいかもしれませんね。

いずれにしても、資金・返済計画に際しては、各銀行や住宅金融支援機構がホームページ上で提供している返済シミュレーションを活用して、色々と検討してみてください。

フラット35クイックシミュレーション

また、一条工務店と比較検討する際の資料集めには、ネット上の一括資料請求サービスもありますので上手に活用してくださいね。

まとめ

一条工務店の注文の平屋で、本体価格1,500万円は難しく、規格住宅が現実的な選択になります。

その場合でも、オプションをつける余裕はありませんが、「 家は、性能 」「 モデルハウス仕様が標準仕様 」の同社では、とくにこだわりがなければ、納得のいくマイホームとすることは可能でしょう。

一方、普及率の上がっている太陽光発電システムはオプションとなります。しかし、業界でもトップクラスの搭載率を誇っている一条工務店ですから、是非とも採用したいですよね。

同社の高気密・高断熱の効果と太陽光発電システムによる光熱費の削減は、初期費用で増えたローン支払い額にほぼ相当しますから、大きな負担にはならないはずです。

なお、たとえお気に入りの一条工務店でも、他社との相見積りは必要で、比較検討することで、それまで気づかなかった点や新たな価値を見出すことができるかかもしれないのです。

以上、限られた予算の中で可能な限り満足のいくマイホームとするための住宅と参考となる情報を紹介しました。本記事が参考になれば幸いです。

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