飲食店や美容室などの店舗を新規にオープンする方は、内装工事によってレイアウトやデザインをイメージ通りに変更できます。また、店舗の場合、間取りや仕様によって仕事のしやすさが変わるものです。
しかしながら、いざ新規でお店を出店しようと動き出すと、「どうすればいいのかわからない」という相談は多く受けます。
そこで本記事では、これから店舗を新規オープンする上で、内装工事を行いたい方が知りたい情報をすべてまとめました。ここでお伝えする内容を参考にして、理想の店舗を実現化しましょう。
1.内装工事の範囲とは
内装工事を行う際、どの範囲まで工事が可能な範囲なのかについて多くの相談を受けます。これから店舗の内装工事を検討しているのであれば、どこまで内装工事に当てはまるのかを把握しておきましょう。
1-1.電気・ガスなどの設備の工事も含まれる
内装工事と聞くと、壁紙やインテリアなどを想像する方が多いのではないでしょうか。しかし、実際はそうではなく、「電気」「ガス」「水道」「空調」などの設備に関しても内装工事に含まれるのです。
また、これらの設備の工事費用は、内装工事費用の中でも高額になります。水道管を伸ばしたり、配置したりするため、大規模な工事になるからです。
これから内装工事を行う方は、設備の工事も含まれることを覚えておきましょう。
2.内装工事を行う店舗の種類
内装工事を行う店舗には、大きく分けて以下の3種類があります。
- 飲食店
- 美容室・サロン
- 整骨院・クリニック
これらのビジネスでこれから店舗の内装工事を行いたいのであれば、それぞれの特徴を把握する必要があります。それでは、順番にお伝えしていきます。
2-1.飲食店の内装工事
飲食店の内装工事の費用は、開業資金の50%を占めると言われています。そのため、飲食店の店舗において、内装工事は金額が大きく、開業までの資金計画においてとても重要な部分です。
ただし、飲食店といっても、種類によって仕様やデザインが異なります。カフェに比べて、数多くの料理を提供する居酒屋のほうが調理設備を充実させなければいけません。
また、デザインや仕様にこだわるとその分値段は高くなります。飲食スペースや外観の見栄えばかりに費用を投資すると、肝心な料理器具などにお金を回せなくなってしまう可能性があります。飲食店において、いい料理やサービスを提供できないのであれば、元も子もありません。
そのため、デザインや仕様ばかりにこだわるのではなく、機能性を重視したプランや予算設定にするようにしましょう。
2-2.美容室・サロンの内装工事
美容室・サロンの内装工事の相談の中でも、最も多い相談が「デザイン性にこだわりたい」というものになります。おしゃれなデザインは、魅力的です。そのため、店舗のデザインにこだわりたいという方は多く見受けられます。
あなたのセンスが際立つ仕様の注目を浴びるお店をオープンさせましょう。
ただし、デザインやグレードにこだわるとその分費用は高くなるため、注意してください。また、機能性が悪いと仕事がしにくくなる可能性があります。あくまでもそのお店で仕事をすることを前提として、デザインにこだわりましょう。
そして、仕事が効率的にこなせるだけでなく、おしゃれで理想的な店舗をオープンさせましょう。
2-3.整骨院・クリニックの内装工事
整骨院・クリニックの内装工事には、清潔感が求められます。治療する場所が不衛生では、誰も利用したくはありません。整骨院・クリニックの内装工事を行うのであれば、清潔感のある仕様にしましょう。
また、整骨院やクリニックの場合、治療機器などの機械にお金がかかります。治療機器の数が多ければ、患者さんを待たせることなく、多くの方を治療できます。そのため、デザインや内装よりも、治療機器にお金をかけるようにしましょう。
おしゃれなデザインも重要ですが、患者さんが求めているのは「治療」です。したがって、治療機器などの設備に予算を確保した上で、デザインにこだわるようにしてください。
3.内装工事の新装と改装のポイント
内装工事は、2つの種類に分けられます。それは、「新装」「改装」の2種類です。
ただし、新装と改装では条件や工事内容が異なるため、価格やポイントをそれぞれ紹介します。あなたが行う予定の内装工事の注意点を参考にしましょう。
3-1.新装の場合のポイント
新装の場合、新にゼロから造るため、好きなデザインや仕様で内装工事を行うことができます。新装で内装工事を行う際は、あなた好みの店舗にできるでしょう。
また、物件の大きさによって坪単価(坪数における単価)が変化します。店舗が大きくても小さくても必要な設備の数は変わらないからです。
たとえば、飲食店の場合、50坪と20坪の物件を比較しても、1つのお店にあるキッチンや水道の数は変わりません。
お金がかかる工事の数が変わらないため、お店の大きさが広くなると、その分坪単価は抑えられるのです。
ただし、坪単価が安くなったとしても坪数が増えれば、工事全体の金額は高くなります。新装で店舗をオープンする際は、坪数を考慮した上でお店の開店資金を用意しましょう。
3-2.改装の場合のポイント
改装でオープンさせる場合、元々ある設備を活かすと値段を抑えられます。内装工事において、設備機器の工事費用は高くなるからです。
もし、水道の位置を移動する場合、新装と変わらない値段になってしまう可能性があります。設備などのお金のかかるものは、できるだけそのままにしておくと費用を抑えれます。
改装で店舗の内装工事を行うのならば、元々あるものを活かして、プランを考えるようにしましょう。そうすれば、値段を抑えたり、そのほかの部分にお金をかけたりできます。既存の物件を改装するメリットを活かして、内装工事を行ってください。
4.内装工事にかかる費用について
内装工事を行う際、多く相談を受けるのが「費用」や「坪単価」になります。工事の費用には定価がありません。値段が決まっていないため、多くの方が気になるものなのです。
4-1.内装工事費は見積もりを取らなければわからない
内装工事には、電化製品のように定価が存在しません。工事に使われる材料やグレード、仕様によって値段が変わるため、全く同じ条件のものがないからです。
内装工事費用は見積もりを依頼しない限り、いくらかかるのかを断定することはできません。そのため、値段を知りたい場合は、まず工事を行う工務店などの施工業者に依頼することから始めましょう。
4-2.ローンは組めるのか
内装工事を行う際、「ローンを組みたい」と相談されることがよくあります。しかし、開業資金でローンを組むことはできません。つまり、内装工事費用に関しては、現金による支払いになるのです。
ただし、開業資金をすべて貯金の中で支払うのではなく、銀行などの金融機関から融資を受けて、そこで資金を調達することが可能です。
まず、工事の見積もりを取り、それをもとに金融機関から融資を受けます。そして、その資金使って内装工事の支払いを行いましょう。
また、オープンする店舗によっては、設備機器などをリースできるため、必要に応じてそれらの制度を活用すると、上手に運営できます。
5.内装工事の費用を安くする秘訣
先ほど述べたように、内装工事は、店舗の開業資金の50%を占めます。これから新しく店舗を構えてオープンすることを考えると、できるだけ工事費用を抑えたいものではないでしょうか。
内装工事の費用を抑えることができれば、その分のお金をほかのことに使うこともできます。内装工事費用を賢く節約して、お得に店舗をオープンさせましょう。
5-1.電気・ガス・水道・空調などがある居抜き物件を選ぶ
冒頭でも述べたように、内装工事には電気・ガス・水道・空調などの設備工事が含まれます。そのため、設備工事を行わないと、内装工事費用を抑えることができます。
ただし、設備の配置を移動すると、新装と変わらない費用がかかる可能性があります。そのため、そのままある設備を活かすことができて、設備工事を行わなくてすむ物件を選ぶようにしましょう。
5-2.DIYで工事費を節約する
内装工事費用を抑えるためには、自分自身でできるものはDIY(ディーアイワイ:自分で工事すること)すると費用を抑えられます。たとえば、内装の壁などの色を変えるのであれば、自分自身で塗装したり、棚などを作成したりすると安く済みます。
飲食店などの場合、自分自身で内装を工事すると、個性が出るためおしゃれです。また、自分で造ったお店は愛着がわくのではないでしょうか。DIYだと費用を抑えたり、個性を出したりできるため、1つの方法としてお勧めです。
5-3.そのままのレイアウトを活かす
居抜きの物件のレイアウトをそのまま活かすと、内装工事費用を節約できます。同じ系列の飲食店の場合、キッチンややテーブルなどをそのまま使用することができるからです。
そこまでこだわりがなく、値段を抑えたいのであれば、そのままのレイアウトを活かしてお得に店舗をオープンさせましょう。
5-4.優先順位をつける
内装工事を行う上で、優先順位をつけると値段を抑えられます。お金をかける部分とそうではないところにメリハリをつけると良いでしょう。
たとえば、デザインと設備の両方にお金をかけるのではなく、優先順位の高いほうにお金をかけることをおすすめします。設備や機能性を重視したいのであれば、そちらのお金をかけると良いでしょう。
一方、デザインにお金をかけたいのであれば、そちらで予算を使いましょう。
しかしながら、デザインばかりを重視すると、内装工事が終わった後に使いにくくなる可能性があります。あくまでも店舗は仕事をするということを踏まえた上で、デザインのプランを考えましょう。
6.金融機関から融資を受ける際の注意点
店舗をオープンさせるために、内装工事の費用をどうしたらよいかという相談は多く見受けます。自己資金だけで開業資金を用意するのは、なかなか難しいものではないでしょうか。その場合、融資を受けましょう。
そこでここでは、融資を受ける際の注意点をお伝えします。
6-1.金融機関の2つの種類
融資を受ける際の金融機関は、2つに分けられます。「日本政策金利公庫」「銀行」の2種類になります。それぞれ融資を受けるには特徴があるため、順番にお伝えしていきます。
6-1-1.日本政策金利公庫の融資
日本政策金利公庫は、民間の金融機関からお金を借りることができない方でも開業資金の融資を受けられます。審査の厳しい銀行などで、資金を調達することの難しい中小企業や個人自業主に対し、融資を行うことを目的としている金融機関だからです。
もし、銀行で審査が通らず資金調達できなかった方などは、日本政策金利公庫の融資を検討してみると良いでしょう。店舗の内装工事などの開業資金がないとオープンできないのであれば、融資を受けることをおすすめします。
ただし、銀行などに比べて融資の審査は緩やかですが、必ず融資を受けられるわけではありません。
審査や基準などがあるため、それ相応の事業計画が必要になるからです。そのため、必ずお金を貸してくれるところではないことを覚えておきましょう。
しかし、店舗をオープンするにあたって、事業資金は多く確保したいものです。あなたのビジネスを成功させるためにも、日本政策金利公庫を上手に活用して、融資を受けましょう。
6-1-2.銀行からの融資
銀行から融資を受ける際は、融資希望額を明確にしましょう。よくありがちな失敗が、「いくら借りられるのか」ということを訪ねてしまうケースです。
事業資金の融資を受けることは、店舗をオープンさせるにあたって、「いくら必要だから○○万円融資してほしい」というものでなくてはいけません。
そのため、融資を受ける金額や事業計画などを明確にしておくようにしてください。
また、銀行は「あなたが確実に返済できるのか」という部分を気にしています。それを書類や面談などでしっかりアピールすることができれば、借り入れを受けられる可能性は高まります。
事前の準備をしっかり行い、銀行からの融資を受けて店舗をオープンさせましょう。
7.内装工事の流れ
どのような流れで内装工事を行うと良いかという相談を多く見受けます。内装工事を行う方のほとんどが、初めて工事を行うからです。そこで、内装工事の具体的な流れをご紹介します。
7-1.予定を決める
新たに店舗を工事する場合、施工に時間がかかるため、オープンの3~4カ月前には施工業者に依頼するようにしてください。余裕がないとオープンに間に合わなかったり、計画ができなかったりするからです。
これからお店をオープンさせるのであれば、スケジュールをしっかり決めて計画的に店舗の工事を行いましょう。
7-2.内装工事を行う業者を決める
スケジュールを決めたら内装業者を探しましょう。過去に店舗の内装工事の実績が多いところに、依頼してください。提案力やデザイン性などに優れているためです。
実績が豊富ならば、あなたのお店を任せても納得のいくものに仕上げてくれます。これからお店をオープンさせるのならば、きれいな店舗にしたいものです。そのためにも、内装業者は信頼できる実績のある所に依頼しましょう。
もし、知り合いの中に、内装工事を行ったことのある方がいたら詳しい話を聞いてみるのも良いでしょう。より、具体的ンな話を聞けるのではないでしょうか。あなたのことを親身になって聞いてくれる業者に工事を依頼しましょう。
7-3.内装工事の契約
内装工事を行う業者が見つかったら契約を行います。ただ、契約にはいくつか注意点があるため、一時的な感情でサインをしてしまわないようにしましょう。
特に見積書は、しっかり確認するようにしてください。 数量や単価などが適切なのかをよく確かめてから契約するようにしてください。
後々不備があった場合、トラブルの原因になる可能性があります。せっかく新しく店舗をオープンさせるのならば、スムーズに開店したいものです。
トラブルにならないためにも、見積書や契約内容をよく確認してから工事を行いましょう。
7-4.内装工事の着工
契約が終わったら、いよいよ内装工事の着工(工事を始めること)です。近隣の方々には、必ずあいさつするようにしてください。工事中は大きな音が出たり、工事関係者が出入りしたりするため、迷惑をかけるからです。
挨拶しなかったばかりに、店舗をオープンしてからトラブルになるケースもあります。気持ちよくお店をオープンさせるために、近隣には必ず挨拶するようにしましょう。
7-5.定期的に現場を見に行く
そして、内装工事が着工したら必ず定期的に現場に行くようにしてください。実際の工事では、仕様やデザインが思っていたものとは違う可能性があるからです。
たとえば、事前の打ち合わせでの壁紙の色と、現物とはイメージが違うことも考えられます。
内装工事は、実際に行ってみてから気づくことや現場で調整を余儀なくされることがあります。現場を定期的に見に行くことで、あなたのイメージ通りの内装にすることができるのです。
理想の工事にするためにも、必ず内装工事が始まったら定期的に見に行くようにしてください。
7-6.竣工・引き渡し
工事が終わると竣工(工事が終わること)です。検査を行った後、引き渡しになります。このとき、細部まで確認するようにしてください。
たとえば、傷があったり、凹みがあったりした場合、その段階であれば直すことができるからです。そのほかにも、設備機器が使いやすいかどうかもチェックしましょう。
これからそこで仕事をするため、使いにくいとその後に影響します。遠慮なく思ったことを伝えるようにしてください。
これらの作業が終わったらいよいよオープンです。成功させるためにも、満足いく内装工事を行い、新たな門出をスタートしましょう。
まとめ
内装工事は、新たに店舗でお店をオープンさせる際に必要な工事です。満足いく店舗で開店するためにも、納得のいく工事を行いたいものです。ここでお伝えしたポイントを参考にして、内装工事を成功させましょう。
ただし、内装工事を行う際、デザインばかりではなく必ず機能性を重視してください。店舗は、仕事をする場所になるため、使いにくいとストレスになります。
内装工事を充実させ、機能的で仕事が効率的にできる、デザイン性に優れたあなただけの理想のお店をオープンさせてください。
住宅は一生に一度の高価な買い物です。数千万円単位になるため、できれば値段を安くしたいものです。
実は値段の高い注文住宅ですが、建売よりも安く家を建てられる方法があるってご存知ですか?
建売でもいいですが、せっかくであれば自由に仕様や間取りを選べる注文住宅がいいですよね。
ただ、注文住宅は失敗してしまう方がほとんどです。夢のマイホームで後悔したくないですよね。
※お断り自由・完全無料